レッドウッドシティ、カリフォルニア発-ジェノミックヘルス社(NASDAQ: GHDX)は、幅広い乳がんの分野において治療を最適化するオンコタイプDX乳がんおよびオンコタイプDX DCIS検査に関する10試験の結果を発表しました。これらのデータは先日行われたサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS: 2017 San Antonio Breast Cancer Symposium)において報告されました。
アメリカ国立がん研究所(National Cancer Institute)のSEER (シアー:Surveillance, Epidemiology, and End Results)レジストリの解析により、リンパ節転移陽性乳がん患者のうち、転移個数が限られ、かつ再発スコア結果が18未満の患者における5年乳がん特異死亡率(BCSM)は、極めて低い(2%未満)ことが改めて確認され、これまでの発表を裏付ける結果となりました。特に、再発スコア結果が低い患者における5年BCSMは化学療法使用の有無にかかわらず低いことが明らかになり、これはリンパ節転移陽性であっても再発スコア結果が低い患者の中に、化学療法を省略可能な人がいることを示唆しており、従来の臨床的要因に基づいた場合、一般的に積極的に治療される患者集団における、オンコタイプ DX検査の意義が示されました。
2018年1月に発効される、新しいAmerican Joint Committee on Cancer (AJCC)による予後ステージ分類では、従来の腫瘍径(T)、リンパ節転移状況(N)および遠隔転移状況(M)に加えてホルモン受容体状況(ER、PR)、HER2、腫瘍グレードおよびオンコタイプDX乳がん検査結果が考慮されます。ER陽性、HER2陰性、リンパ節転移陰性または微小転移の患者において、再発スコア結果が11未満の場合は、腫瘍径(5㎝未満)およびグレードに関わらず、最も予後良好なステージに分類されます。SEERレジストリ解析において、再発スコア結果が11未満の患者の年齢、腫瘍径、および腫瘍グレードは広範囲にわたっていましたが、このうちホルモン療法のみの治療を受けた9000名の5年乳がん特異生存率(5年間乳がんが原因で死亡しなかった確率)は99.6%と極めて良好であり、この新しいAJCCステージ分類を強く支持する結果でした。
●ヨーロッパで最大級の乳がんアジュバント療法の前向き試験である、West German Study Group (WSG) PlanB試験から得られた新たなデータは、高齢の女性においてもオンコタイプ DX検査が腫瘍のバイオロジーの評価に有用であることを示しました。70歳以上であっても、化学療法を受けることができれば、その転帰は若い患者と同様であることがわかりました。研究者らは、高齢患者も乳がんリスクを知るために遺伝子検査を受けるべきであり、再発リスクが高いと判定された場合には、転帰を最適化するために化学療法を受けるべきであると提案しています。