これらの知見は、Nature 2017年3月23日号の特別企画冊子「Nature Index 2017 Japan」に掲載されているもので、このレポートでは、日本の近年の研究実績に関する情報を詳細に紹介しています。「Nature Index 2017 Japan」は、世界の8000以上の大学や研究機関による高品質の研究を追跡している Nature Indexのデータに基づいています(データ測定方法の定義については「Nature Indexについて」の項を参照ください)。
「Nature Index 2017 Japan」は、クラリベイト・アナリティクス社のウェブ・オブ・サイエンス(WOS)や、エルゼビア社のスコーパス(Scopus)データベースのデータも取り上げており、これらのデータから、日本の研究が低下傾向にあることがはっきりと現れています。WOSによれば、日本の論文出版数を2015年と2005年とで比較した場合、14分野中11の分野で減少しています。伝統的に日本が強い分野である材料科学および工学の論文出版数は10%以上減少しており、減少率が最も大きかったのが計算機科学で37.7%も減少しました。ただし、医学、数学、天文学の3つの分野においては、10年前よりも増えています。しかし、査読付き文献を広く網羅するスコーパス・データベースに収録されている全論文数が2005年から2015年にかけて約80%増加しているにもかかわらず、日本からの論文数は14%しか増えておらず、全論文中で日本からの論文が占める割合も7.4%から4.7%へと減少しています。