2016年9月19日、つくば国際スポーツアカデミー(Tsukuba International Academy for Sport Studies:以下TIAS)と、ヨーロッパを代表するスポーツマネジメト大学院プログラム「MESGO」(学位名Executive Master in European Sport Governance) はプランス・パリにおいて提携を交わし調印式をとり行った。
2009年、UEFAが中心となり運営するExecutive Master in European Sport Governance(以下、MESGO)が設立。フランスのほか世界の8カ所を移動して、5日間×9セッションの「エグゼクティブ(上級者)を対象としたスポーツマネジメントプログラム」として、プロスポーツにおけるガバナンスに関連した国際的慣行の複雑な側面や多様性を習得することによってスキルの向上を目指す組織です。スポーツ部門の専門家のために考案されたプログラムで、プログラム自体は2010年から始まっています。
MESGOが他のスポーツ組織主導型の大学院プログラムと違う所は、複数のスポーツ組織と複数の大学によってコンソーシアムを形成されている点です。例えばスポーツ組織ではUEFA以外に、FIBA(国際バスケットボール連盟)、EHF(欧州ハンドボール連盟)、IIHF(国際アイスホッケー連盟)、ラグビーヨーロッパ、CEV(欧州バレーボール連盟)が「MESGOスポーツパートナー」と呼ばれ提携しています。一方、大学側はリモージュ大学(フランス)が学位を授与し、バークべック・スポーツビジネスセンター(英国、ロンドン大学)、ヨハネス・グーテンベルク(ドイツ、マインツ大学)、HECローザンヌ(スイス、ローザンヌ大学)、リェイダ大学およびInstitut Nacional dEducacio Fisica de Catalunya(スペイン、バルセロナ)と提携し、『MESGOアカデミックパートナー』と呼ばれています。学費は、年間17,900ユーロ(221万9,600円、2016年4月25日現在のレート1ユーロ=124円で計算)、授業は連続5日間を9回行う形式で例年9月から翌々年4月の19ヶ月間で行われます。
<教育プログラムの特徴と講義内容>
MESGOの学位名は、Executive Master in European Sport Governance となります。MESGOのカリキュラムは、「セッション1」から「セッション9」として9つに分かれており、1)国際スポーツのコンテクスト、2)スポーツ組織のガバナンス、3)競技大会の設計と規制、4)法的フレームワーク、5)戦略的マーケティング、6)スポーツイベント、7)倫理、8)北米モデル、9)スポーツ・ガバナンスの未来となっています。スポーツ関連機関で働くエグゼクティブまたは選出された代表者を対象としており、欧州の「スポーツ・ガバナンス」が講義の大きなテーマです。特に「セッション8」は欧州以外の米国で行われ、「セッション9」は基本的にはオリンピック・パラリンピックの開催都市で行われるのが特徴で、2016年2月はブラジルのリオで開かれ、2018年3月は東京を予定していました。今回の筑波大学・TIASとの調印によって翌々年3月での東京での講義が実現する運びとなりました。
日本政府が推進するスポーツおよびオリンピック・パラリンピックムーブメント普及のための「Sport for Tomorrow」プログラムの一環で、文部科学省(現:スポーツ庁)が設立。日本で唯一の「スポーツ・オリンピック学位プログラム」を持つ、IOC公認の五輪教育研究機関。次代のスポーツ界・スポーツビジネス界を担う人材の育成を目的としている。