2016-8-1



早稲田大学



2016年版世界電子政府ランキング公開

首位はシンガポール、日本は6位→5位



 早稲田大学は、国際CIO学会傘下の世界主要大学と提携して「世界電子政府進捗度ランキング調査2016」の結果を発表しました。今回の結果は、世界のICT先進国を中心に65か国が対象となり、研究活動12年目の成果として世界中の関心を集めています。

 今年の上位は、1位はシンガポール、2位が米国、3位にデンマーク、4位に韓国、5位に日本が入りました。なお、日本は部門別指標の「政府CIO」及び「電子政府振興」の2項目でトップ3に入っています。6位~10位はエストニア、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドに英国・台湾(タイ)と続きます。

 早稲田大学電子政府・自治体研究所(所長:大学院アジア太平洋研究科小尾敏夫教授)が中心になるこの調査研究は、世界11大学の代表者が調査チームに参画。2回の専門家による分析会合や、国際会議、国際機関(国連、OECD、APEC、ITU、世界銀行、EUなど)並びに関係国政府、研究所などとの意見交換によって集大成されました。

 なお、調査の長編サマリー(日本語)および調査報告書の全文と65の国別分析報告書(英語)はウエブに掲載されています。

早稲田大学電子政府・自治体研究所HP:http://www.e-gov.waseda.ac.jp/



解説:日本の評価

日本の評価に関して、今回は5位にランクされました。早大による調査分析で下記の課題が浮き彫りになり、また今後に向けた提言も行いました。

◆「電子政府」における日本の課題:

1. ランキングに見る日本の優位性―「電子政府振興」並びに「政府CIO」は2位にランク、「行政管理の最適化」は4位にランクされている。

2. モバイル・ブロードバンドが普及して、モバイル政府樹立が世界の潮流だが、マイナンバーを含むスマホなどの利活用システム化が遅れている。公的個人認証の高度化がカギ。

3. 政府は東京オリンピックに向けてサイバーセキュリティ対策に全力投球している。サイバー・テロへ軍事組織が関与している場合もある点を留意すべきである。

4. 行財政改革の要である電子政府の構築で事務経費の削減ができても、民間ができる人員削減に手が付けられなのは摩訶不思議と言わざるを得ない。



◆ 今後に向けた提言:

1. 電子政府普及率・利用率は向上しているが、電子申請といっても磁気テープ保管を優先する役所や役所のパソコンにて申請させるケースもあり、真の普及になっていない。その点、企業へは紙ベースの申請を廃止して電子申請一本化を5年以内にできないか。

2. 世界ナンバーワンを標榜する世界最先端IT国家を目指す戦略の中間評価を第3者機関に委ねて実施できないか。

3. 韓国、米国、シンガポールのように電子政府の国際展開並びにパッケージ輸出に力点を置くべきである。

4. 日本の電子政府の現状紹介の英語による国際PRや発信力が主要国に比較して不足している。



情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 2016年版世界電子政府ランキング公開