アクセンチュアの最新レポート「Fintech and the Evolving Landscape(フィンテック、発展する市場環境)(*1)」によると、アジア太平洋地域のフィンテック企業への投資が拡大しています。2016年第1四半期の投資は27億ドルで、グローバル全体でのフィンテック関連企業に対する投資総額53億ドルの51%を占めました。
応募するフィンテック企業には、自社のテクノロジーが実際に稼働するベータ版の保有が必要です。本プログラムは2016年8月から開始され、選ばれたフィンテック企業と金融機関の上位役職者、およびテクノロジー分野の著名起業家との出会いの場を設けます。また、一連のワークショップ、パネルディスカッション、ユーザーグループセッション、人脈形成、個別会合、およびプレゼンテーションを通じて、フィンテック企業のテクノロジーならびにビジネス戦略開発やその洗練化をサポートします。参加するフィンテック企業の執務スペースはサイバーポート社(Cyberport)、宿泊施設はJ プラス ホテル バイ ヨー(J Plus Hotel by YOO)が提供します。本プログラム終盤の2016年11月の「デモ デー(Demo Day)」には、選ばれた参加者が投資家や金融業界上位役職者へのプレゼンテーションを行います。
過去にアジア・パシフィック先進金融テクノロジーラボに参加した数社のフィンテック企業は、指導役を務めた金融機関とのプロジェクトを開始しています。HSBCのアジア・パシフィック地域担当の最高執行責任者(COO)であるレイモンド・チェン氏は次のように述べています。「HSBCは、新しい金融エコシステムの一員として、フィンテック コミュニティーとの関係をさらに強化できること、そして顧客体験の向上を果たせることを大変嬉しく思います。フィンテック企業は、創造性、俊敏性、最新の技術をもたらします。HSBCはメンタリングやスケール観をもった試行・改善を通じてこれを促進します。例えば、昨年はFinSuiteのスプレッド計算を自動化するサービスを27か国で採用し、当社の商業銀行におけるローン審査の迅速化を可能にしました。今年は、より分かりやすく、迅速かつ優れた金融サービスをお客様に提供できるよう、珠江デルタ(Pearl River Delta)などの当社の戦略地域で、さらに多くのフィンテック企業のサービスを活用できる機会を模索しています。」
アジア・パシフィック先進金融テクノロジーラボは、アクセンチュアとニューヨーク市パートナーシップ基金(Partnership Fund for New York City)が2010年に設立した、同様のプログラムをモデルにしています。「Partnership Fund for New York City」は1億1,500万ドルの資金を擁した「Partnership for New York City( www.pfnyc.org )」の投資部門です。アクセンチュアは2012年にはロンドンの12行の大手銀行と共に、ロンドン市長や他の政府機関からの支援を得て「ロンドン先進金融テクノロジーラボ」を設立しました。2014年にはアジア太平洋地域とアイルランドのダブリンにてそれぞれ先進金融テクノロジーラボを設立しています。これらのラボに参加した企業は現在までに3億3,500万ドルの資金を調達しています。「ニューヨーク先進金融テクノロジーラボ」参加企業からは4社がすでに買収され、2015年度だけでもStandard TreasuryとBillGuardの2社を数えています。
(*1)「Fintech and the Evolving Landscape(フィンテック、発展する市場環境)」のレポート全文は以下のURLからご覧いただけます。(英語版)