本試験は、無作為割付・二重盲検・プラセボ対照の臨床第III相試験で、中国、韓国、タイの3カ国から406名の患者登録がありました。対象は少なくとも2種類以上の標準化学療法(フッ化ピリミジン系薬剤、イリノテカン、オキサリプラチン)に不応となった治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん患者です。TAS-102の有効性を検証することを目的に、患者さんをTAS-102投与群又はプラセボ投与群にランダムに割り付けました。主要評価項目は全生存期間です。本試験は、Shanghai Tianyou Hospital/Fudan University Shanghai Cancer CenterのJin Li先生(中国)と、Asan Medical Centerの Tae Won Kim先生(韓国)、 Chulalongkorn University &The King Chulalongkorn Memorial HospitalのVirote Sriuranpong先生(タイ)の3名の研究代表者の主導により実施されました。
また、2015年6月、大鵬薬品はフランスのセルヴィエ社と欧州・その他地域(北米・アジア以外)における本剤の開発および商業化に関するライセンス契約を締結しました。本契約に基づき、セルヴィエ社は欧州・その他地域において、TAS-102の開発と商業化を進めています。本剤は2016年2月25日に欧州医薬品庁(European Medicines Agency:EMA)の医薬品委員会(Committee for Medicinal Products for Human Use:CHMP)より、「フルオロピリミジン療法、オキサリプラチン療法、イリノテカン療法や抗VEGF抗体療法、および抗EGFR抗体療法を含む既存治療の施行後、またはこれらの治療法が適応とならない、遠隔転移を有する成人の結腸・直腸癌」を対象に承認勧告を受領した後、欧州委員会にて現在審議中です(iv)。
(iii) Taiho Pharmaceutical News Release. Taiho's Lonsurf(R) (trifluridine and tipiracil hydrochloride) Tablets Approved in Japan for Treatment in Advanced Metastatic Colorectal Cancer. Available at: http://www.taiho.co.jp/english/news/20140324.html Accessed March 2016