2016年3月29日



オムロン株式会社





- 検査時間を50%以上*1短縮 -

移動しながらミクロンオーダーの高精度で測定する

変位センサーを発売





オムロン株式会社(本社:京都市下京区、代表取締役社長CEO:山田義仁)は、変位センサーの新シリーズとして、ファイバー同軸変位センサー「ZW-7000シリーズ」を2016年4月1日より発売します。今回発売する「ZW-7000シリーズ」は、新たな測定原理である「白色共焦点方式*2」を搭載し、さまざまな素材や形状の測定対象物の高さを、センサーヘッドを移動させながら連続してミクロンオーダーの高精度で測定できる非接触型変位センサーです。



近年、スマートフォンなどデジタル機器の生産現場では、製品の高性能化や薄型化に伴い、さまざまな材質・形状の部品が混在する中で高い品質管理が要求されると共に、製品を迅速に供給する体制が必須となっています。こうした中、品質検査の工程では、測定対象物の高さを正確かつ迅速に測定することが求められています。しかし、従来のセンサーでは、センサーヘッドを移動させながら連続して曲面や光沢面、粗面のある対象物を測定すると測定誤差が生じるため、正確な測定にはセンサーヘッドの向きや角度を調整したり静止させたりする必要があり、高精度な計測と検査時間の短縮の両立は困難でした。そこで、オムロンは、さまざまな材質や形状の対象物の高さを一つのセンサーヘッドで移動しながら高精度に測定できる「白色共焦点方式」を搭載した「ZW-7000シリーズ」を開発しました。「ZW-7000シリーズ」は高精度かつ迅速な品質検査を実現し、製品の品質向上と検査時間の短縮を両立すると共に、工程の迅速な立ち上げに貢献します。



■高精度かつ迅速な品質検査を実現

・「白色共焦点方式」により材質(鏡面、粗面、透明など)や形状(曲面、狭小スペースなど)の異なる部品が混在しても、センサーヘッドを静止することなく連続して高精度に高さを測定します。

・位置同期機能(EtherCAT(R)同期、外部トリガ同期)を搭載し、移動と測定タイミングを正しく同期できるため、移動しながら狙った箇所を高精度に測定できます。



■検査時間の大幅な短縮を実現

・センサーヘッドは従来比約1/3の小型サイズのため、スペースの制約がある場所でも複数のセンサーヘッドを設置でき、同時測定により検査時間を短縮します。

・センサーヘッドの設置方向に制約がなく、あらゆる方向へ移動させながら測定が可能なため、従来必要であった測定対象物の形状や移動方向に合わせてセンサーヘッドを回転させる作業が不要となります。

・センサーヘッドは約180gと軽量なため、ロボットアームやXYステージにセンサーヘッドを取り付けて移動しながら測定する場合、センサーヘッドに掛かる振動が停止するまでの時間を短縮します。



■検査工程の立上げ工数を削減

・独自の検出原理により、一つのセンサーヘッドで異なる材質・形状の部品を高精度に測定できるため、従来のように測定対象物に合わせたセンサーヘッドの交換が不要です。

・センサーヘッド部は光学部品のみで構成されているため、電気的なノイズや磁気的なノイズは受けません。誤測定の要因となるセンサーヘッド周辺のEMC対策や熱対策は不要になるため、従来の変位センサーでは配慮が必要であった周辺対策が不要です。

・白色LEDを光源に採用しているため、従来のレーザー光源を採用した変位センサーでは必須であった安全対策や安全教育は不要です。



オムロンは、生産現場における“制御進化” (integrated)、”知能化“(intelligent)、 “人と機械の新たな協調”(interactive)のオートメーションで、モノづくり革新に取り組んでいきます。新たなセンシング技術を搭載した「ZW7000シリーズ」は、生産現場の品質検査工程において多様な課題を解決するための中核を担い、高速かつ高精度なオートメーションシステムの拡充に向けた第一歩です。オムロンは、今後も世界屈指の高度なILO+S (インプット、 ロジック、アウトプット + セーフティ)にロボット技術を加え、生産現場のものづくり革新に製造業各社と共に取り組んでまいります。



*1:当社指定条件での検証における改善率。

*2:白色共焦点方式とは、センサから白色光を色別(波長別)に集光位置を変化させて照射し、焦点を結んだ波長光だけを反射光として受光し、その色情報にとって高さを測定する原理。従来のレーザー三角測距方式では測定対象物の表面のざらつきのために発生する多重反射光をセンサが受光する仕組みのため移動動測定が不安定となるが、白色共焦点方式では測定に関係のない多重反射光は受光しないため、ざらつきのある粗面を移動しながら測定しても安定して正しく測定が可能。



■主な特長

1.異材質も曲面も余裕の測定能力

従来の変位センサーでは、ワークの高さを平均化処理により測定するため、移動しながらの測定は形状の再現性に課題があり、検査品質の低下が生じていました。

ZW-7000シリーズの「白色共焦点方式」では、様々な材質・形状の部品を高速サンプリングで平均化せずに移動しながら正確に連続して測定できます。



2.検査時間短縮に効く効率的な配置・移動

小型サイズのセンサーヘッドを複数台並べて同時測定することにより、測定時間を短縮できます。



方向の制約がなく、同一設置であらゆる方向に移動しながら測定することが可能なため、測定対象物の形状や移動方向に合わせてセンサーヘッドを回転させる工程を省略できます。



3.調整の工数削減で検査工程を短期立ち上げ

一つのセンサーヘッドで異なる材質・形状の部品を測定できるため、測定対象物に合わせたセンサーヘッドの購入検討や設計が不要となり、立上げ工数を低減できます。また、ラフな設置でも安定測定できるため、対象物に応じたセンサーヘッドの取付調整の工数を削減できます。





■主な仕様

●形ZW-S7010

測定範囲/10±0.5mm

スポット径/φ50μm以内

静止分解能/0.004μm

リニアリティ/±0.45μm

サンプリング周期/最速20μs

外形寸法/30×30×76.25mm

質量/約180g



●形ZW-S7020

測定範囲/20±1mm

スポット径/φ70μm以内

静止分解能/0.008μm

リニアリティ/±0.9μm

サンプリング周期/最速20μs

外形寸法/30×30×76.25mm

質量/約180g



●形ZW-S7030

測定範囲/30±2mm

スポット径/φ100μm以内

静止分解能/0.016μm

リニアリティ/±2.0μm

サンプリング周期/最速20μs

外形寸法/30×30×76.25mm

質量/約180g





■オムロン株式会社について

オムロン株式会社は、独自のセンシング&コントロール技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、電子部品、車載電装部品、社会インフラ、ヘルスケア、環境など多岐に渡る事業を展開しています。1933年に創業したオムロンは、いまでは全世界で約39,000名の社員を擁し、110を超える国や地域で商品・サービスを提供しています。制御機器事業では、モノづくりを革新するオートメーション技術や製品群、顧客サポートの提供を通じ、豊かな社会づくりに貢献しています。詳細については、 http://www.omron.co.jp/  をご参照ください。



EtherCAT(R)は、ドイツのベッコフオートメーション株式会社がライセンスを供与した登録商標であり、特許取得済みの技術です。









情報提供元: PRワイヤー
記事名:「 移動しながらミクロンオーダーの高精度で測定する変位センサーを発売