本調査「Fintech Investment in Asia-Pacific set to at least quadruple in 2015(英語)」は、香港のサイバーポート社(Cyberport)で開催された第2回アジア・パシフィック先進金融テクノロジーラボ「投資家の日(Investor Day)」で発表されました。
本調査によると、2015年10月1日時点の投資件数は122件に達し、2014年の117件と対比して順当な伸びを見せています。さらに、投資金額を見てみると、中国で相次いだ国内外向けの大型案件により、飛躍的な増加となっています。注目すべき案件としては、Alibaba Group Holdingsと関連会社Ant Financial Services Groupによるインドのモバイル決済プラットフォームであるPaytmへの出資や、P2P(Peer to Peer)およびB to Cのオルタナティブファイナンス・投資プラットフォームを開発するPing An Insurance Group傘下のベンチャー企業Lufaxによる資金調達の成功が挙げられます。
2年目を迎えたアジア・パシフィック先進金融テクノロジーラボは、アクセンチュアとニューヨーク市のパートナーシップ基金(Partnership Fund for New York City)により2010年に設立した同様のプログラムをモデルにしています。2010年以降、アクセンチュアは2012年にロンドン先進金融テクノロジーラボ、2014年にはダブリンにてアジア・パシフィック先進金融テクノロジーラボを設立しています。これまでニューヨーク先進金融テクノロジーラボのプログラムに参加した31の企業は、合計1億7,500万ドルの資金調達に成功し、そのうちの4社は買収されています(Standard TreasuryとBillGuardは2015年に買収)。ロンドン先進金融テクノロジーラボ設立後の2年間で、プログラムに参加した21の企業は3,500万ドル以上の新たな資金調達、銀行との間に約50件ものビジネス契約、そして平均で170%の売上増を達成しました。また、アジア・パシフィック先進金融テクノロジーラボのプログラムに参加した企業も、既に2,650万ドル以上の資金調達に成功しています。