2017年2月18日に「休日の振替をし出勤した週に有給休暇を取得した場合、割増賃金はもらえますか?」の記事を寄稿しました。
そこでは、休日にも「法定休日」と「法定外休日」の2種類があることを解説いたしました。
今回は、
「残業が長引き、法定休日の日である午前2時に残業が終わった。その場合の割増率はどうなるか。」
との相談事例がありました。
具体的事例を見ていきましょう。
割増賃金とは
割増賃金にはこの「時間外労働」に対するもののほか、「休日労働」に対するものと「深夜労働」に対するものがあります。
「時間外労働」 : 割増率 25%以上(一定の大企業などで1か月60時間を超えた場合は50%以上)
「休日労働」 : 割増率 35%以上
「深夜労働(22時から翌5時まで)」 : 割増率 25%以上
また、休日には「法定休日」と「法定外休日」の2種類あり割増賃金率は違います。
(1)「法定休日」の割増率
「法定休日」に働いた場合は、労働基準法で定めている「休日労働」となり休日労働の割増率(35%以上)となります。
(2) 「法定外休日」の割増率
「法定外休日」に働いた場合は、労働基準法で定めている「休日労働」にあたらず特に定めがないため休日労働の割増率(35%以上)の適用は受けません。
このことから、「法定外休日」の働いた時間については、原則として、通常に支払われる賃金でよいことになります。
しかしながら、「法定外休日」には、「時間外労働」の概念は適用されることになり、「法定外休日」の働いた時間が、1日8時間、週40時間を超える場合は、「時間外労働」となり時間外労働に対する割増賃金(25%以上)となります。
今回の事例ではどうなるか?
今回の事例についてみてみましょう。
「残業が長引き、法定休日の日である午後2時に残業が終わった。その場合の割増率はどうなるか。」でした。
※所定労働時間:9時~18時(実労働8時間)とする。
業務が長引き、終わったのが、法定休日の日の午前2時とのことでした。
ここで注意するのは、0時以降はそのまま残業として取り扱い「時間外労働 + 深夜労働の割増賃金」か、法定休日として取り扱い「法定休日労働 + 深夜労働の割増賃金」となるかです。
日付が変わる0時からが法定休日の労働
上記表では、勤務としては労働日としての勤務になりますが、休日は暦日でみるため、法定休日の0時から2時までの2時間が休日労働の割増賃金の対象となります。
このことから、0時から2時までは「法定休日労働 + 深夜労働の割増賃金」となり割増率も60%以上となります。
一度、ご自身の働き方についてチェックされるとよいでしょう。(執筆者:高橋 豊)
情報提供元: マネーの達人