家族でのお出かけに便利な自動車
今年のゴールデンウィークは晴天の日が続いたので、帰省や観光でお出かけになった読者の皆さんは多いことでしょう。
クルマを利用して家族そろって遠出旅行を楽しまれた方もいるのではないだろうか。
渋滞と事故
大型連休中にクルマでお出かけする際、気を付けたいのは大渋滞と交通事故であることはいうまでもありません。
都市圏から各地方・観光地へ向かう主要な高速道路を走行される場合、交通量の増えるピーク時間を避ければ大渋滞に遭遇しないで済むかもしれない。
また、行楽に訪れた場所の不慣れな道路では、気持ちと時間にゆとりを持った運転を心がけることが事故に遭遇するリスクを抑えてくれることだろう。
交通違反
ハンドルを握る機会の増える大型連休中には警察も違反取締りを強化している。
警察官にうっかり違反切符を切られないよう、法定速度を守ることはもとより、一時停止や駐停車禁止区域といった交通標識は運転中くれぐれも見逃さないように注意したいものだ。
うっかり交通違反をしてしまいお巡りさんのお世話になってしまっては、せっかく家族や仲間たちとドライブを満喫しているのに、ドライバーだけでなく皆が一気に不愉快な思いをしてしまうことだろう。
実は、かく言う筆者も…
ゴールデンウィーク期間に、行楽地から自宅へ帰る道中、幹線道路に繋がるT字路において、不覚にも一時停止線で完全停止しなかったことで、交通違反切符を切られてしまった。
十分に減速をして停止線の手前からは徐行をし、左右の安全を確認した上で幹線道路に入ったのだが、物陰に隠れていた警察官に
「停止線で完全停止をしなければダメ!」
と容赦なく違反切符を切られ反則金を納付することになってしまった。
ゴールデンウィークにゴールド免許が…
これまで維持してきた「ゴールド免許証」が、次回の更新時には不徳にも「ブルー免許証」になってしまう。
気持ちも免許も「ブルー」になって考えた
免許証の色がゴールド(5年間、無事故無違反であること)からブルーに変わることで、具体的にどんなペナルティー(もしくは不利益)が生じるのだろうか?
詳しい読者も多いことだろうが、免許証の色と有効期限にポイントを絞って以下に整理してみた。
・ ゴールド免許証を保有する人の運転免許証の有効期限は「5年間」で、ブルー免許証を保有する人の有効期限は3年である。
・ ゴールド免許の人が交通違反を犯してしまうと、基本的には次回更新時にブルー免許になってしまう。
・ ただし、平成14年の道路交通法の改正によって、ゴールド免許の人が「過去5年間に軽微な違反(違反点数が3点以下)が1回の場合は、更新後はブルー免許証でありながら運転免許証の有効期間は5年間」と規定された。
ちなみに、軽微な違反(3点以下)は、以下のものが挙げられる。
・ 駐停車違反
・ 通行禁止違反
・ 一時不停止
・ 速度超過(一般道路30km未満、高速道路40km未満)
・ 運転中における携帯電話の使用等
・ シートベルト装着義務違反
軽微な違反が1回のみである場合、次回更新時の免許証の有効期間が5年であれば、これはドライバーにとっては嬉しいことだろう。1度だけの違反には道路交通法も寛容になったというわけだ。
自動車保険は1度の違反にも厳しい
ここで1つ大きな問題が生じてしまう。それは、自動車保険の「ゴールド免許割引」についてだ。
近年は、1人1人の加入条件等により保険料に差を付ける「リスク細分型自動車保険」を導入している保険会社が多くなっている。
免許証の色がゴールドであれば「ゴールド免許割引」が適用され、自動車保険の保険料が割引かれるのだが、たとえ有効期間が5年であってもブルー免許証であれば自動車保険の「ゴールド免許割引」は適用されない。
「ゴールド免許割引」は加入時または更新時で判断
自動車保険の「ゴールド免許割引」はあくまでも加入時、または更新時の運転免許証の色で判断される。
道交法改正によって規定された「有効期間5年間のブルー免許」の人は「ゴールド免許割引」は適用されないことは知っておきたい。
「ゴールド免許割引」による保険料の割引率はバカにできない
「有効期間5年間のブルー免許」ではなく、通常の有効期間3年間のものにしてもらった方が、無事故無違反を続けて再び「ゴールド免許」に戻れるまでの期間が短いから嬉しいと考える人は多いことだろう。
しかし、こればかりは制度で決まっているため、「有効期間を5年間ではなく3年間にして欲しい!」といった要望は残念ながら認めてもらえないのである。
自動車保険のゴールド割引率
10%前後に設定されている保険会社が多い。保険会社によっては、運転者の年齢条件で設定している会社もある。
35歳以上はゴールド割引率が高めで、35歳未満は低めにとった具合だ。たとえば、ある通販型の損害会社においては、35歳以上の契約者は12%の割引率である一方、35歳未満の契約者は7%の割引率となっている。
仮に、保険料が10%割引されるとしたら、年間の自動車保険料が約5万円の場合、ゴールド免許からブルー免許になることで、単純計算で保険料が年間5,000円増えてしまう。
自動車保険は自動車を保有している限り通常加入し続けることになるので、毎年5,000円近くの保険料割引が受けられないことを考えると家計に対する影響は無視できない。
「免許の更新」ではなく「保険の更新」がポイント
免許の更新で、免許証の色がゴールドからブルーになっても、自動車保険の満期・更新時期までは、別に保険会社に連絡をしたり設定を変更したりする必要はない。
免許証の色が保険開始日の時点でゴールドであれば、ゴールド割引が受けられるからだ。
更新時に偽って「ゴールド」と言ったら…
自動車保険の更新時に、免許証の色が前回の更新(契約)時から変わっている場合に申告をするのだが、もし本当はブルー免許に変わっているのに、
「従来のゴールド免許のままであるという申告」
をした場合はどうなるのだろうか?
あくまで申告は正しく行うべきであることはいうまでもないが、実際にはゴールド割引はそのまま受けられて保険料は安くなると思われる。
なぜなら、自動車を提供する損害保険側がその申告された免許証の色が正しいのかどうかを更新時点では確認する術がないからだ。
しかし、万一交通事故等を起こして保険を使う事態になった時、
「虚偽の申告をしていたという理由で、保険金の支払いを拒否される」
場合はあるので、免許証の色は正直に申告するべきである。
「ゴールド割引」欲しさに、虚偽の申告をして事故時に保険金が受け取れなかったら、それこそ本末転倒であり、大きな損害を被るのは加入者自身であることをしっかり認識しておこう。
安全運転をお願いします
いずれにしても、読者の皆さんには「ゴールド免許割」に過度にこだわらず、常日頃から安全運転を心がけ、無事故無違反を継続できるようなセーフティドライバーであることを祈りたい。(執筆者:完山 芳男)
情報提供元: マネーの達人