ドル円がフランス大統領選挙を経て、円安方向に舵を切り始めました。
今回、どういったメカニズムで円安方向にいったのか、を解説してまいりたいと思います。
ドル円の方向性のおさらい
ドル円相場の方向性というのは国の成長率がアメリカ>日本のときは、円高方向に行き、アメリカ<日本の場合は円安に行く、という話を以前にさせていただきました。
(参考:毎年1-3月期にアメリカの景気が「落ち込む」理由 日本にも3月・4月相場にセオリーがあります)
このことは、みなさんが小学生のときに暗記したのと同じで、これをそのまま覚えてくださいという話もしました。
なぜなら、この話のロジックは非常にかんたんな理屈なのですが、理解するまでには1年くらいかかるからです。
かんたんなのですが、実際に計算をしてみると非常に難解になるのです。ですから、FXのトレードをしながらこれを考えて、それをバックテストして実証するというのは不可能になると思います。
話がそれましたが、現在の状況はどうなのか? ということを考える必要があります。
アメリカ>日本なのか、アメリカ<日本なのか、これで方向性がわかるのです。
現在は円安にいってもロジカルに正しい?!
今回の円安は、フランス大統領選挙や北朝鮮リスクの回避によって起こったと思う方が多いと思いますが、全然、違います。
何度もお伝えしている通り、ドル円の方向性というのは日米の経済格差や成長の違いで方向が決まります。
アメリカ1-3月期GDP速報値が4月末日に発表されています。その数字は0.7パーセントです。
一方で日本の1-3月期GDP速報値は今月の15日近辺になります。未発表になりますが、おそらくアメリカよりは成長率は高いでしょう。
となると、アメリカ<日本になりますので円安に行くのが正しいということになります。
今後の展開
マーケットの方向性は円安だということはみなさんおわかりになったと思います。
問題は、いつまで円安が続き、どの辺まで円安になるか、ということになります。
アメリカの成長が低成長であったのは、1-3月期に大雪の影響で低成長であったのは何度も説明をしています。では、4-6月期はどうなのか? ということです。
ここで、専門家もよく間違いを犯すのですが、4-6月期のアメリカの数字がどうなるかに加えて、日本の4-6月期も予想しなければいけないのです。
その数字はアメリカが7月の末日、日本が8月の中旬になりますので、早ければ7月の末日近辺まで円安が続くということに理論上なります。
日本の数字を確認しなければいけない場合は、8月の中旬になりますね。そして、その上値はどう計算しても117円程度になります。
これが大枠の計算方法ですが、実際の動きは違うと思います。
また、日本は少子高齢化で低成長、アメリカは先日、発表された人口動態によってまだ、生産人口の若返りが促進していますので高成長になります。
つまり、アメリカ>日本になりますので長期的には円高になるのです。(執筆者:角野 實)
情報提供元: マネーの達人