日柄的な反発時期ですが、微妙なずれはあるものの、想定内での範疇で底入れとなりました。



この反発が、本物の起点かは、正直、信じがたいところですが、地政学的リスクの一時後退などを受けての反発となりました。



ファンダメンタル的には、下げる要素後退から下げすぎに対する反発で戻し、上昇に入るための材料を待っている状況と思われます。



材料になるとすれば、3月末の本決算の発表が、週明け、本格化することで上昇の起点材料になれるか‥という所ですが、現状の為替を見ると、材料としては薄いのかなと思われます



さらには、世界情勢としては、トランプ政治への期待に関しても暗雲が(立ち込めているどころか)巻き起こっていることや欧州の選挙に絡んだところから、強気になれない… というのが現状ではないか、と想定されます。



ただし、今回の下げすぎに対しての反発は、もう少し余地はあると考えられるので、連休前までは、上げ下げしながらの上げはあるかなと考えます



逆の発想で見ると、地政学的リスクは、ピーク時に比べると後退はしたものの、完全に消えたわけではないので油断は禁物で、いつでも下げに対する備えは必要と考えます。



週末GWに突入








そして、日本市場は、週末でGWに突入することで、週の後半は様子見ムードに突入が想定されますが、決算との辛みと海外情勢の動きはあるので、動きが鈍くなるという断定も厳しいかと考えます。



目先の動きとしては、下げトレンドの中での自律反発の範疇で、目先、下向きの25日線を目指すのがセオリーかと考えます。



そして、その25日線の位置が、今回の下落に対しての38.2%の戻しとほぼほぼ重なることで、ここを上抜けられれば元のBOXに戻る。



その後、上昇に戻れるかも‥と云う見極めとなりますが、25日線にたたかれて再度下げるときは、もう一段下もあると考えます。



私の中では、もう一段下はまだ可能性としては残っていると考えた体制でいます。



もちろん、上を目指す可能性もあるので、当然ですが、どちらか(上か下か)一本やりを想定したシナリオは考えていません。



現状分析




5日線ですが、週明け、向きが上向きになりきれれば(週明けの)反発期待ですが、週明け前半の動きに注目です。



25日線は、先週初めが最大の乖離で、おおよそ4%となっており、それほど今回の下げに勢いがあった乖離にはなりませんでした。



この後の展開が反発であるなら、下向きの25日線にぶつかるときの動きがどうだったか?



…過去を検証し、どのような動きをして、どのような建玉をしていくかのシミュレーションをしておくことをお勧めします。



私自身は、常に頭の中でシミュレーションをして、『こう動いたときはこうして、予想外にこう動いたときはこうする』という事を考え、準備します。



準備していた動きが来る分には、何も慌てず、想定していた建玉の操作をするだけです。



想定していなかった動きが来たときは、「冷静になる事」をまず最初に意識して、「慌てた建玉の操作をしないこと」に注意を払う自分がいます。



75日線は、変わらずで、下向きのまま下を推移する状況が継続しています。目先は、やはり、株価が25日線とどのような絡み方をしていくかに注目です。



週末の足型としては、窓空けの陽線のコマで、直近の底練りの中に出来ている、小さいダブルボトムやトリプルボトムのネックラインを、窓空けで上抜け、陽線形成ですので、トレンドの始まりの可能性も示しています。



トレンドライン




今回の下限は、昨年の12月5日の安値近辺で止まったように見受けられます。



厳密には、12月5日の安値というよりは、11月後半から12月前半の揉み合いの下限というのが正しい見立てと考えます。



ここを割り込むと10月後半の高値の1万7500円がサポートラインとして機能していくと…今もこの考えは変わらずで、逆に、ここまで下げるのではという認識は、今も持っています。



反発に対してのトレンドラインは、3月16日と3月31日を結んだトレンドラインは金曜日に窓空けでブレイクしました。



もう一つ細かく見ると、4月10日と4月18日の高値を結んだラインも同じく金曜日に明確なブレイクをしたことで、一旦、下落に歯止めがかかったと考えます。



さらなる上値抵抗線は、25日線と、過去のサポートラインとして意識した2月7日の安値も、気には留めたいと思います。さらには、75日線となってきます。





テクニカル指標




一目均衡表では、変わらず下方シグナルであることは変わらないですが、週末に転換線はブレイクしたことで、トレンド変換の可能性が少し出たかなと思われます。



さらに遅行線と日々線の天底一致が、今回は、ほぼほぼ予想通りの範疇で実現しました。「やはり一目理論は世の中が意識しているのだな」と実感です。



ボリンジャーバンドでは、下向きに向いていたバンドが収斂を始めました。さらには-1σを上抜けたことで、一旦下げ止まりは示唆しています。



このまま下げ止まるかは断定できませんが、今週前半までの下げは、一旦止まった動きと見受けられると示しています。





総合判断


下げは一旦終焉で、今は自律反発の最中とし、本格反発になれるかは週明けが見極めですが、現状で上昇に戻るかは微妙と考えます。



週明けは、ほぼ横ばいで始まることが想定されます



今のところ、



● 一旦底入れはしたと想定しつつ、

● どこまで値を上げるか見極めつつ、

● 下げ始めたときはどこまで下げるかに注目



したいと思います。



週明け、GWに備え、地政学的リスクに備え、油断できない時期が続きますが、緊張感をもって見極め ていきたいと思います。(執筆者:城 晶子)



情報提供元: マネーの達人
記事名:「 GW前の日経平均の動きを考える