「高齢による身体状況の悪化や認知症の進行により自宅での生活が難しい」
「同居し介護を視野に入れた生活を共にする事ができる家族がいない」
そんなときは誰しもが老人ホームなどの介護施設への入所を検討しなくてはなりません。
その際にまず何を確認するべきなのか、今回はみていきたいと思います。
1.家族の希望・入所する本人の希望
認知症状が強く物事の判断が出来ない場合や、病気により環境の変化を認識が出来ない場合もあるかもしれません。
しかし一方的に
「施設へ入ってもらう」
と伝えるのはNGです。
高齢者の尊厳を無視しない
・ 家族の状況や本人のこれからの生活についてしっかりと話し合う。
・ どうしても選択肢が施設入所しかない場合も、しっかりと伝えて了承して貰う。
これはとても大切なことです。
高齢者も1人の人間であり、意志や自我があります。
家族の都合だけで施設へと追い遣るのではなく、お互いの生活や心身状況のためにそうしなくてはならない旨を丁寧に説明しましょう。
そして入所する側の施設に対する希望や、どのように生活して行きたいのかをしっかりと理解し、良好な関係を続けたまま終の棲家を探してあげる事が重要です。
2.入所条件や費用
施設の種類によって、受け入れ可能な介護度や年齢条件が定められています。気になった施設を見つけたらパンフレットを取り寄せてみましょう。
また、施設の担当者とじっくり話をしてみましょう。施設の担当者もきちんと説明する姿勢で待っているものです。
介護保険や費用は複雑なのでご自分の状況を伝えることで入所までのことが明確になります。
ご希望に沿って提案してくれるのはもちろんですが、何を選んでよいかわからない場合には状況に合った選択肢を教えてもらう事ができます。
夫婦での受け入れは可能だが、居室は男女別になっている施設
などもあり、夫婦で入所を希望する場合は同室が可能か確認する必要があります。
あえて夫婦別室で、入所後はお互いのびのびと生活し、食事やレクリエーションの時に顔を合わせる生活を送る御夫婦もいらっしゃいます。
費用面も施設の規定や介護度によって異なります
パンフレットと一緒に料金表を取り寄せて現在の介護度と照らし合わせ、最低限必要な月額費用を確認しましょう。
わからない部分や不明なことはそのままにせず、納得がいくまで施設の職員に尋ねましょう。
今後、支払い続けなければならない入所費用です。介護度が変わる事によって金額も変わっていきますので、あやふやな状態にするのは禁物ですよ。
3.施設内の設備、雰囲気、職員の対応
気になる施設が見つかったら、必ず現地へ赴きましょう。これから両親が生活するかもしれない場所です。
可能であれば、本人も連れて行きどのような雰囲気の建物なのか、衛生面は行き届いているのか、居室の広さや生活していけそうかをじっくり見てみましょう。
この時に確認すること
・ 担当の職員や介護職員の対応の仕方
・ 他の利用者への声かけの仕方
・ 職員の言葉遣いや施設全体が明るく活気のある雰囲気か
以上を確認しておくことで、入所する際の安心材料になります。
4.医療機関との連携
入所する家族の病状によっては定期的に医療機関への受診が必要な場合があります。
そんな時に、施設側で通院を全て行ってくれるのか、家族の同伴が必要なのかを確認しておくと安心です。
施設から離れた遠方の病院へいかなくてはならない場合等は特に注意が必要です。
医師や看護師が常駐していないタイプの施設であれば、急変があった場合にすぐに駆けつけてくれる医師と連携しているのか確認しておきましょう。
そうでない場合はすぐに搬送するシステムが整っているのか、家族への連絡体制はどうなっているのかを確認しておくと安心です。
まとめ
馴染みの無い土地の施設ですと面会に行くのも大変になり徐々に足が遠のきがちになります。
入所する家族も見知らぬ土地よりも、住み慣れた地域や生まれ育った故郷での生活のほうが安心する事が多いのではないでしょうか。
気が進まなかったけれど、施設へ行ってみると同級生や昔の仕事仲間が先に入所しており、知人がいることで安心し、楽しく新しい生活をスタート事ができたという方もいらっしゃいます。
まずは近場の施設から探し、入所待ちの状況などを調べてみましょう。
本人にあった条件の施設のなかで、安心した生活をおくれる場所をじっくり探す事が何よりも大切です。(執筆者:佐々木 政子)
情報提供元: マネーの達人