先週のマーケットを振り返ると、日米ともに政治リスクに左右される展開になりました。「政治と金」に絡んだ森友学園問題。
また、米国でもオバマケア代替法案の可決是非が問われ、大型株は終始軟調推移となりました。
そんな中でも、個人投資家の物色意欲は旺盛。直近の投資部門別売買動向を振り返っても、個人は1,300億円程度買い越し。4週間ぶりの買い越しに転じました。
28日の権利付き最終日に向けて、徐々に配当取りも意識される局面。
ただ、安易な配当取りには要注意です。権利獲得後に株価が急落するケースも少なくありません。
甘い話に騙されるな!配当をもらっても株価が下落すれば意味がない
「配当取りは今がチャンス」、あるいは「今なら間に合う」等のうたい文句を冠した記事も多く見られるようになりました。
もちろん、これらの内容を一概に否定するつもりはありません。
確かに、権利付き最終日前の取引では、配当を受け取る権利を獲得することができます。
一方で、権利確定後は株価が下落する傾向にあることも事実。
仮に、3%の利回りを確保できる銘柄があったとしても、株価が3%下落してしまえば意味がありません。
個人投資家はその点を理解したうえで、個別株投資を行う必要があります。
中小型の高配当銘柄ほど、下落が大きい傾向
高配当銘柄には、主力株のみならず、中小型株も名を連ねます。中には、比較的マイナーで耳なじみのない企業も多いでしょう。
つまり、投資家からの認知度が低い銘柄もある訳です。これらの銘柄では、出来高も少ないケースが散見されます。
権利付き最終日前後の売買では、商いも盛り上がり、それほど大きな値動きはないと想定されます。
しかし、その後の商いは縮小傾向。出来高の減少に伴って、買い板と売り板の乖離が大きくなることが想定されます。
つまり、値動きが荒くなると言うことです。確かに、高配当銘柄を仕込むことは初心者にとっては鉄則です。
しかし、やみくもに高配当銘柄を仕込むことが正しいかと言えば、その限りではないのです。
配当落ち後がチャンス!私的おすすめ銘柄3選
1. 大和証券(8601)
みなさんもご存じの国内大手証券です。
配当利回りは4%程度で推移。出来高も申し分ありません。収益基盤も盤石で、収益の質も健全化。
株式等のブローカレージフィーからストック型のフィービジネスに変わりつつあります。
四季報を見ても財務の健全性は国内証券ナンバーワン。最低投資金額のバーさえクリアできれば初心者にも非常におすすめの銘柄です。
2. 学究社(9769)
首都圏中心に学習塾を運営する企業です。
現時点で3.5%以上の配当利回りもさることながら、株主優待で1,000円分のクオカードがもらえることもうれしい。
優待利回りを配当利回りに上乗せすると、そのトータルリターンは4%を超えます。個人投資家注目の銘柄と言えるでしょう。
3. 日本航空(9201)
優待の王道と言えば航空株。
こちらも配当利回りと優待利回りを合わせたトータルリターンは抜群。4%程度あります。また、長期保有特典もがあることも同社の特徴です。
3年以上株を保有し続けた場合には、保有株数に応じて上乗せで優待航空チケットが付与されます。
その他、権利落ちの時期が異なるもののエストラスト(3280)等、以前の優待記事で特集させて頂いた銘柄もおすすめです。
是非ご参考頂ければと思います。(執筆者:徳田 陽太)
情報提供元: マネーの達人