週末は、FOMCやG20の動きをみてあまり動かなかったドル円相場。
戻りに入ったことから、17日の引けにかけては利食い売りにおされて円高になりました。
あけて、立春の3/20は旗日ということもあり午前中から商いは閑散になります。
窓開け論者は買いたいところ
私は、「酒田五法の窓を埋める」という形の罫線はあまりすきではありません。
酒田五法とは
出羽国(現在の山形県酒田市周辺)出身の江戸時代の相場師本間宗久によって考案されたローソク足の並びを基本としたテクニカル分析のひとつ。(出展元:wikipedia)
≪参考:酒田五法!江戸時代に編み出された投資手法(トレード法)≫
欧米でこれを生みだしたのはラリーウィリアムズです。
この窓を埋めるという行為に関していうのであれば、そもそも酒田罫線を理解していない方がこれを力説するだけの話だと考えています。
ラリーウィリアムズが提唱したのは週明け、月曜日の寄り値が新値だった場合は逆向かいと言っています。しかも週足ベースで。
つまり提唱した人たちとは全く違う論理で今の方々は窓埋めを利用していますが、なぜ、そうなるかの理屈、ロジックを理解していない方々はそれをファンドや仕手にいつの日か利用されることでしょう。
窓はなぜ開け、そしてそれをなぜ埋めにくるかを考えなければいけません。
窓を埋めるという行為はナンセンス
20年以上前から為替やそのほかのマーケットを取り組んでいる方ですと、昔のチャートは窓ばかりで、窓を埋めるという行為がどれほどナンセンスなことかはよく存じ上げていると思います。
今回は、窓は埋めないと個人的には予想します。
窓は実際には大きくは開けていませんが、週末、売られた原因が利食いの売りの場合には、たいていは戻るものです。
しかし、これは戻らないでしょう。やはり内部要因を理解できない方にこのことを説明しても無駄となるでしょう。
誰でもわかるロジック
ドル円の月間足になります。
2015年から三尊天井を形成し、そして今年の3月に典型的なヘッド&ショルダーを形成しました。
三尊天井とは
証券用語で株価などの推移を時系列に図示したチャート上において高値圏でしばしば見られる形状の一つで、3つの山形を示し、中央の山が最も高くなる。この形状のチャートの出現は、今までの相場の上昇が終了し、今後近い内に下降局面に入ることを示すとされる。(出展元:wikipedia)
≪参考:株チャート分析と個人投資家の心理学(三尊天井)≫
この形をみても、未だに円安に行くという方は少ないでしょう。
どこまでの円高なのか?
かねてから私はドル円の理論値は80-85円くらいと申し上げていましたが、そこまでの急激な円高にならないと思います。
日柄計算でいくと今度の転換日は3月末から4月末にかけてですから、円高にトレンド転換するのがいささか早いので、この円高が短命に終わる可能性も高いと思います。
しかし3月末から4月上旬にかけて新しいドル円の基準値が設定されます。その基準値はさらに円高になる可能性が高いのです。
それを掛け合わすと、連休前に円高のピークが終わるというよりも、さらに円高が続く可能性のほうが高いのです。
日本の物価は上向いていますが、昨今の円高と原油安からさらに円高になる可能性は高いと思います。
ただ、予想以上にアメリカ経済が利上げによって減速をするような気がしますので、円安要因はその辺にあると思います。アメリカの1-3月期の成長率というのは4月末になります。(執筆者:角野 實)
情報提供元: マネーの達人