前回から少々間が空いてしまいました。
シリーズ最終回の今回は、「初の1億超物件」の後編をお届けしようと思います。(参考:【実録】私がアパマン5棟所有をいかに達成したか ~初の1億超物件(前編)~)
キャッシュフローを増やそうと購入した、私自身初となる1億円超え物件。
そんな思惑とは裏腹に、購入後間もなくトラブルが続出するという憂き目に遭ってしまうこととなりました。
止まらぬ問題の数々
欲をかいたのがいけなかったのか…後悔していても始まりません。
顕在化した問題を乗り越え、収益を生む物件にすることが当面の私の課題となります。
前回お話しした、貯水タンクの水圧と汚水の噴出の問題は何とかクリアしました。
次は騒音問題でした。
駐車場内にある排水口を塞ぐ鉄板の蓋がうるさいとの、近隣住民からの苦情。
鉄製の蓋に車が乗り上げるたびに音がしてストレスだとのこと。どうやら、お年寄りは夜間の音に敏感なようです。
ご近所との関係を円満に保つためには、この程度のことでもないがしろにせず迅速に対応した方が得策です。
お付き合いのある業者さんに不安定だった鉄板を杭で留めてもらい、問題は無事解決しました。1万円程度でご近所に喜んでもらえるのなら安い投資ではないでしょうか。
テナントがひとつ決まりましたが…
トラブルに対応するなか、ある日嬉しい知らせが届きました。テナントがひとつ決まりそうだとのことです。
貸主の負担でフロントサッシを付けて欲しいとのテナント側の希望を受け入れて、空き店舗の一画にようやくテナントが決まったのです。
でも、なんだか様子がおかしい…本屋と聞いていたのに、看板には「ビデオ」と書かれているではないですか。
「まぁ、仕方ない。入居者の多くは男性なので、入居者さんも喜ぶかも?」と、楽観的に考えることに。
ところが、待てど暮らせど開店しません。聞くと、店長を任せる予定だった人間と連絡が取れなくなってしまい、開店できないとのこと。
挙句の果てに退去したいと言い出す始末。たった半年での退去となってしまいました。これでは、フロントサッシ設置にかかった50万円を回収したにすぎません。
この店舗は、後に懇意にしているリフォーム会社に格安の料金で賃貸することに決めました。
空けておいてもお金を生みません。ならば、必要としている人に役立ててもらえたらと考えました。
本来の想定の半分以下の賃料ですが、これで退去の心配はなくなります。
格安な賃料で物件を提供する一方、私には、実費にてリフォームやリノベーションなどの工事を行ってもらえるメリットもあります。
私自身が経営するコインランドリー、バイクガレージに続き、リフォーム会社に入居してもらったことで、店舗部分は満室となりました。
原因不明の水漏れ対策も無事完了
ラーメン屋さんから報告を受けていた水漏れの問題。
報告を受けるたびに対応していたのですが、根本的な原因は分からないままでした。
換気扇の隙間から雨水が侵入しているのではないかとの見立てから補修工事を行いましたが、やはり解決しません。
結局、壁を剥がして水の侵入経路を調査することになりました。すると、ようやく原因の特定に成功。2階と3階の間にある排水管から漏水しているということが分かりました。
ただ、ここでまたしても問題が。工事には入居者の立会いが必要。つまり、2階と3階の2部屋の入居者さんと業者、計3者の予定を合わせる必要があります。
この作業が思いの外難航し、工事が行われたのは2月初めのこと。昨年夏に漏水の原因が判明してから、実に半年もの月日が経過してからのことです。
入居者さんには5,000円分の商品券をお渡しし、近くのコンビニのトイレを使っていただくようお願いしました。
当マンションの現況
一連のトラブルへの対応が実を結んだ形となり、おかげさまで満室にすることができました。
コインランドリーも徐々に収益が上がりつつあり、現在5~10万円の利益が出せるようになりました。
バイクガレージも昨年満車となり、9万円ほどの利益を上げられています。店舗・住居を合わせた収益は、およそ120万円/月、年間に換算すると1,440万円となります。
固都税(固定資産税と都市計画税)も考慮した実質の利回りは約8.6%。購入当初の想定よりはやや劣るものの、ようやく経営が軌道に乗り始めました。(執筆者:内田 陽一)
情報提供元: マネーの達人