最近、ミニマリストという生き方が流行っており、そのシンプルな暮らしぶりから憧れを持つ人は多いと思います。
物を持つことから解放されて、豊かで幸せな生活ができるという点から、ミニマリストはいいことばかりと思うかもしれませんが、実は見落としがちな弊害もあります。
今回は、ミニマリストに憧れても「ここはマネしたくない! 考え直したい」というポイントをご紹介します。
ミニマリストという生き方
ミニマリストという生き方は、少ない物でシンプルに暮らすというのが基本です。
必要最小限の家具を置き、服や食器といった日用品も使う枚数だけしかないので、空っぽの部屋に住んでいる方が多いです。
自分の身の丈に合う暮らしや、物に振り回されない生き方として注目を集め、本や雑誌、テレビなどでもたびたび目にします。
そのため、断捨離を徹底して、ミニマリストのようなシンプルな暮らしを送りたい! と思った人は少なくないはずです。
しかし、そんな生き方に憧れてマネをしてみたけど、意外な弊害をもたらすことがあります。
捨てることが快感になってしまう
ミニマリストに憧れて、物を捨て始めてみたら、捨てること自体が楽しくなったり、「ほかに捨てられるものはないか?」と必要以上に探し回ってしまうということはありませんか?
これは、捨てること自体が快感になっている証拠です。
本来、ミニマリストという生き方は、物を持たない暮らしを楽しむことを軸にしており、捨てること自体を楽しむものではありません。
捨てることが楽しくて仕方ないという状態になったときは、一旦手を休めてみましょう。
大事なものや家族のものまで捨ててしまう
もともと不要だったものが捨てられるようになるのはいいことですが、行き過ぎると大事なものまで捨ててしまう恐れがあります。
思い出の写真や後で使う必要のある書類など、冷静に考えると手元に残しておきたいものが、断捨離の勢いにのってまとめて捨てられるというケースです。
あとでまた買えるものなら勢いにのって捨ててしまっても後悔しないかもしれません。
しかし、取り戻せない思い出の品などは、冷静になってから捨てるかどうかを検討しましょう。
また、家族のものまで勝手に捨てるようになってしまうと、家族からクレームがきて、ケンカの原因になります。
「これはいらない!」と思っても、家族のものに手を出すのは控えたいものです。
質にこだわりすぎて、高額なものを買ってしまう
ミニマリストの中には、最小限の持ち物で暮らすため、質のいいものを使いたいと考えて、日用品も高価なものを購入する人たちがいます。
質のいいものを何年も使い続けるのであれば、頻繁に買い替えるより最終的に節約になります。
しかし、いいものを求め続けて高額なものを何度も買い替えていたり、消耗品まですべて高額なものにしてしまうと、節約という観点からは遠ざかってしまいます。
どのように暮らすかは人それぞれ自由ですが、こだわりを持ちすぎていると感じるなら、一度立ち止まって考えてみることをおすすめします。
生活サイクルが乱れたときのリスクヘッジが難しい
ミニマリストというと、下着は3枚だけ、バスタオルも2枚だけ、など日常生活で使うものがとにかく少ないのが特徴です。
下着やバスタオルは毎日こまめに洗濯すれば、必要最小限で生活できますが、生活サイクルが乱れたときはどう対処するのでしょうか?
例えば、
雨の日続きで洗濯物が乾かない
体調を崩して家事ができない
旅行から帰ってきたばかりで疲れて洗濯できない
災害が起こって断水になったとき
などです。
自分に必要なものを見直して、自然と下着やタオルの枚数が減っていったという方は、こうした事態でも臨機応変に対処できるでしょう。
しかし、最初から枚数を減らすことだけにこだわって捨ててしまった人は、不測の事態に対処できるかどうかという視点も持ってみてください。
ミニマリストという生き方は、形ではなく考え方を重視
何もない空っぽの部屋や、物を持たなくても生きられる自分というのは、かっこよく見えるはずです。
しかし、なにがなんでも物を減らすという形から入るのではなく、その先にある「物に振り回されない生き方」や「物がたくさんなくても生きていける」という考え方からマネしてみたほうが、後々の弊害をなくすことができます。
形からマネしていたという方は、ぜひ一度見直してみてください。(執筆者:垣内 結以)
情報提供元: マネーの達人