「日本のお墓は、日本の石で、日本の技術で作られているもの」
という印象を持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし実は、墓石は海外産のものが多いのです。
それについて見ていきましょう。
現在の墓石は中国産が80%
多くの人が驚かれるのですが、実は日本の墓石で、「日本産の石」を使って「日本で加工されている」というものは、決して多くはありません。
一般に流通している墓石のうちの80%ほどが中国で作られています。
また、石も中国産です。さらに、「墓石はインドやヨーロッパでとれた」というものであっても、中国で加工されて日本に入ってくることもとても多いと言われています。
中国では良質な石がよく出ますし、何よりも人件費がとても安く、安価で買うことができます。
かつては「葬儀」や「墓石」などはブラックボックスのようになっており、「値段で比べるなど失礼なことだ」と思われていました。
しかし現在は、「安い葬儀」、「安い墓石」、「安い墓地」に注目が集まっていますし、情報も手に入りやすくなっています。
このようなことを踏まえれば、安価な中国産の石が重宝されるようになったのは無理からぬことだと言えるでしょう。
日本の石、海外の石
墓石店に行った場合、おそらく何の希望も出さなければ、中国産の石を使い、海外で加工されたものを選ぶことになるでしょう。
「国産品」という言葉も、「採掘も加工も日本でやった」というものと、「採掘は日本だが、加工は海外でやった」というものがあります。
あくまで「日本で採掘された石で、日本で加工されたものを使いたい」ということであれば、「国内産の墓石を探している」という言い方ではなく、「国内の石を使って、国内で加工された墓石が欲しい」と希望を出すべきでしょう。
しばしば、「中国製品は質が悪い」という話が聞こえてきます。
しかし墓石の場合はこれはあてはまりません。人件費は確かに安いのですが、信用性に富むものが中心だからです。
ただ、日本製のものは子々孫々末代まで、というように、非常に長く持つと言われています。
高いけど長く持つ日本製を選ぶべきかどうか、詳しく計算して確認してみましょう。
高値ではありますが、墓石の品質にこだわりたいというのであれば、これを選ぶのもよいでしょう。
ちなみに、小数ながら、南米産や北欧産などの石もあります。
最後に
お墓は、私たちが最後に眠る場所です。
「死んでしまえば何もわからない」とも言われますが、家族の心情や本人の気持ちとしては、やはり納得のいくものを選びたいですね。(執筆者:鍋谷 萌子)
情報提供元: マネーの達人