投資信託を解約すると引かれることがある「信託財産留保額」。有無は目論見書で分かる
積み立ててきた投資信託を解約しようとして、解約のときにも費用がかかることがあると知って、戸惑う方もいるのではないでしょうか。何の費用なのか、どこを見れば分かるのかも気になるところです。手がかりは、投資信託ごとに作られる交付目論見書にあります。解約を決める前に、手元の目論見書の費用の欄を一度開いてみませんか。
費用がかかる場面は3つに分かれる
投資信託の費用は、いつかかるのかで分けると見通しがよくなります。金融庁がNISAを使う人向けにまとめた資料(令和7年9月改訂)は、主な費用を、買うとき・持っている間・売るときの3つの場面に分けて示しています。
信託財産留保額は、解約する人が投資信託の中に残していくお金
購入時手数料が販売会社に支払う手数料であるのに対し、金融庁の資料は信託財産留保額を、換金の費用として信託財産に留保するお金と位置づけています。解約代金から差し引かれても、そのお金は投資信託の財産の中に残ります。
見落としやすいのが、信託財産留保額があとから変わることもある点です。金融庁の投資信託に関するQ&A(令和7年6月24日改訂)は、組入資産を換金する際のコストが低く抑えられ、残る受益者に実質的に不利益とならないと合理的に推察される場合に限り、信託財産留保額の減額や廃止を、商品の基本的な性格を変えない約款の変更として挙げています。減ったりなくなったりすることもあるわけです。
交付目論見書の「手続・手数料等」で確かめる
広く募集される投資信託を買うときは、原則として目論見書をあらかじめか同時に渡すことが金融商品取引法で決められています。ただし、同じ投資信託をすでに持っていて受け取らないことに同意した人などは例外で、その場合も買うまでに求めれば渡されます。
内閣府令の様式では、交付目論見書に「手続・手数料等」の項目を置き、申込みから換金(解約)までに投資者が直接・間接に負担する費用を簡潔に書くことになっています。申込手数料以外の費用は具体的な率の代わりに上限だけを書くこともでき、金額や率の問い合わせ方法も載ります。解約の手続や受渡方法も同じ項目で確かめられます。
まず持っている投資信託の交付目論見書を用意し、次にこの項目で解約のときに信託財産留保額がかかるかを見ます。そのうえで信託報酬も確かめ、分からない点は販売会社に聞きましょう。金融庁の監督指針も、証券会社などが投資信託を勧める際、購入後に負担する信託報酬や信託財産留保額などの費用を分かりやすく説明しているかを、監督で留意する点に挙げています。
解約の前に、目論見書の費用の欄を開いておく
解約のときの費用には、信託財産留保額のように投資信託の中に残るものもあれば、解約手数料のように別にかかるものもあります。それぞれがかかるかどうかは、持っている投資信託の目論見書で確かめられます。書類が見当たらないときは、販売会社に問い合わせてみましょう。費用と手続を確かめたうえで解約の時期を考えれば、思わぬ差し引きに驚かずに済みます。
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