相続人がいない人の財産はどうなる。家庭裁判所が清算人を選び、残りは国庫へ
相続人がいない人の財産はどうなる。家庭裁判所が清算人を選び、残りは国庫へ

結婚せず子どももいない知人が、自分には財産を継ぐ人がいないと口にしました。もしものとき預金や家はどうなり、支えてきた人に何か渡せるのか、気になる方もいるでしょう。相続人がいなくても、財産がその日のうちに国のものになるわけではありません。家庭裁判所が選ぶ清算人が借金などを払い、世話をした人への分与が認められればそれを渡し、残った財産が国庫に入ります。

家庭裁判所が相続財産清算人を選ぶところから始まる

民法は、相続人のあることが明らかでないとき、利害関係人か検察官の請求で家庭裁判所が相続財産の清算人を選ぶと定めています。裁判所の案内では、相続人全員が相続放棄をして継ぐ人がいなくなった場合も含まれ、利害関係人の例として、亡くなった人の債権者や特定の財産の遺贈を受けた人、特別縁故者を挙げています。

申し立てには、亡くなった人と父母の出生から死亡までの戸籍などを添えるよう案内されています。財産を管理する費用が足りないおそれがあるときは、申し立てた人が予納金を求められることもあります。

全体の流れは次のとおりです。

相続人がいない人の財産はどうなる。家庭裁判所が清算人を選び、残りは国庫へ

公告で相続人を捜しながら、借金などを払っていく

清算人が選ばれると、家庭裁判所はそのことと、相続人がいれば名乗り出るよう求める公告を出します。並行して清算人は、2か月以上の期間を定めて債権者や遺贈を受けた人に申し出を求める公告をし、法律に沿って支払います。必要なら家庭裁判所の許可を得て、不動産や株を売ってお金に換えることもあります。

相続人の有無が明らかでない場合の清算手続では、令和5年4月1日施行の民法改正により、従来の「相続財産管理人」の名称が「相続財産清算人」に変わりました。なお、別の手続では「相続財産管理人」という名称も引き続き使われています。法務省の資料では、改正前は公告を順に出す決まりで権利関係の確定まで最低でも10か月かかっていたものが、公告をまとめたことで、権利関係の確定に最低限必要な公告期間は合計6か月に短くなったと説明しています。公告の期間内に相続人が現れなければ、相続人がいないことが確定します。

世話をしてきた人が受け取れる場合

気になるのが、内縁の配偶者や長年身の回りを支えてきた人の立場です。裁判所の案内では、相続人のいない財産は最終的に国庫に帰属するとしたうえで、特別の縁故がある人には申し立てにより分与が認められることがあると説明しています。民法が挙げるのは、亡くなった人と生計を同じくしていた人、療養看護に努めた人、そのほか特別の縁故があった人です。

家庭裁判所への請求は、相続人を捜す公告の期間が満了してから3か月以内にしなければなりません。分与するか、全部か一部かは、家庭裁判所が相当と認めるかで決まります。期限を逃さないよう、官報を確かめたり清算人に問い合わせたりするよう裁判所は案内しています。

渡したい相手がいるなら、自分で決めておける

特別縁故者への分与は、請求しても認められるとは限りません。財産を渡したい相手がいるなら、民法が認める遺言で、財産の全部か一部を誰に渡すかを生前に決めることもできます。元気なうちに戸籍で相続人の有無を確かめ、手続きに迷ったら家庭裁判所の案内を見てみてください。

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 相続人がいない人の財産はどうなる。家庭裁判所が清算人を選び、残りは国庫へ 」