開業届は開業した年の申告期限まで。先に期限が来るのは青色申告と失業手当
会社を辞め、来月から個人で仕事を受けると決めた方もいるでしょう。開業届はいつまでにどこへ出すのか、青色申告や退職後の給付はどうなるのかと手が止まりがちです。実は開業届の期限は令和8年から変わり、ほかの手続きのほうが先に期限を迎えることもあります。開業の前後に期限が来る手続きを、出す先とあわせて紹介します。
事業を始めたら期限を確かめたい3つの手続き
国税庁と厚生労働省の案内から、主な期限を並べました。
開業届の期限は所得税法の改正で変わり、令和8年1月1日以後に始めた事業から表の期限になりました。改正前の条文は「その事実があつた日から一月以内」で、それより前に始めた事業にはこの期限が当てはまります。e-Taxのほか、書面の持参や送付でも出せます。
都道府県への事業開始の申告もあり、大阪府の案内では開業した日から2か月以内です。期限と窓口は、事業所のある都道府県で確かめましょう。
青色申告にするなら承認申請書が先に期限を迎える
見落としやすいのが、開業届より早く期限が来る青色申告の承認申請書で、開業届と一緒に出しておくと安心です。出した後、その年の12月31日(11月1日以後に開業した場合は翌年2月15日)までに税務署から通知がなければ、承認されたものとみなされます。
承認を受けると使える特典の一つが、所得から差し引ける青色申告特別控除です。国税庁の案内では、複式簿記で記帳し、e-Taxで申告するなどの要件を満たすと最高65万円です。令和9年分以後は要件が見直され、複式簿記とe-Taxでの送信に加えて一定の要件を満たす電子帳簿を備えると最大75万円になります。
退職してすぐ事業を始めるなら給付の扱いも確かめる
失業手当(雇用保険の基本手当)を受ける予定の方は、開業の時期に気をつけたいところです。厚生労働省のリーフレットでは、自営を始めた人や自営の準備に専念する人は原則として支給を受けられず、求職活動をしながら創業の準備や検討をする段階なら支給される場合があるとしています。動き出す前に、住所地のハローワーク(公共職業安定所)で確かめましょう。
そのうえで知っておきたいのが、令和4年7月1日に始まった受給期間の特例です。離職後に事業を始めた人などは、要件を満たせば、事業をしている期間を最大3年間、受給期間に数えないよう申請できます。事業をやめて再び仕事を探すときに、受け取れる期間を残す仕組みです。
また、その事業で自立できると公共職業安定所長が認めた場合などは、事業を始めた人も再就職手当の対象になりえます。同じ事業で受け取ると受給期間の特例は使えませんが、再就職手当を申請して不支給になったときは、その手当の申請日を特例の申請日として扱い、2か月を過ぎても特例を申請できます。
開業日を決めたら期限の早いものから動く
開業届は、令和8年1月1日以後に始めた事業なら開業した年分の申告期限までに出せば間に合います。一方で、青色申告の承認申請書や受給期間の特例は、開業から2か月以内に期限が来ることがあります。開業日が決まったら表で期限を確かめ、早いものから出していきましょう。
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