サイドFIREで会社を辞める前に。国民健康保険には病気で休んだときの手当が原則ない
資産がある程度たまり、会社を辞めて働く日を減らす暮らしを考え始めると、気になるのが体を壊して働けなくなったときのことです。会社員の健康保険にある傷病手当金は、辞めた後に入る健康保険によっては続きません。退職届を出す前に、次に入る健康保険で何が変わるのかを確かめておきましょう。
会社員の健康保険が支えていた休業中の収入
協会けんぽの案内では、傷病手当金は、被保険者が業務外の病気やけがで会社を休み、事業主から十分な報酬を受けられないときに支給されます。休み始めて連続3日間の後、4日目以降が対象で、支給期間は通算して1年6か月です。
見落としやすいのが、協会けんぽが被保険者のみを対象と案内している点です。アルバイトでも勤め先の健康保険に加入していれば対象になり、分かれ目は働き方の呼び名ではなく、被保険者として健康保険に入っているかどうかです。
辞めた後に入る健康保険で変わる休業中の支え
協会けんぽは、退職後の健康保険として任意継続、国民健康保険、家族の健康保険の被扶養者を挙げています。任意継続は在職中と同様の給付を受けられますが、傷病手当金と出産手当金は除かれ、在職中からの継続給付の要件を満たす場合に限り対象です。健康保険法も傷病手当金の対象から任意継続被保険者を除いています。
気になるのが国民健康保険です。国民健康保険法は、傷病手当金を市町村などが条例や規約で定めるところにより行うことができる給付とし、厚生労働省も令和2年3月の事務連絡で、さまざまな働き方の人が加入するため条例を定めて支給できる仕組みだと説明しています。条例がなければ支給はないため、住んでいる市区町村の案内で確かめることになります。
療養中に辞めるときに残る継続給付
ここで押さえたいのが、在職中から休んでいる人の扱いです。協会けんぽの案内では、退職日までに被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日に傷病手当金を受けているか受けられる状態であれば、退職後も引き続き支給を受けられます。この1年に国民健康保険などの期間は含まれません。
注意したいのが退職日の過ごし方です。協会けんぽは、退職日に出勤すると継続給付の条件を満たさず、翌日以降の傷病手当金は支払えないと案内しています。いったん働ける状態になった後に再び働けなくなっても、支給されません。
働く先で健康保険に加入するかどうかが分かれ目
サイドFIREで勤め先を持つなら、そこで健康保険に加入するかも確かめたいところです。厚生労働省の案内では、パートやアルバイトでも勤め先の従業員数や週の所定労働時間などの要件を満たせば健康保険に加入し、業務外の病気やけがで仕事に就けず給与を受けられないときは傷病手当金が支給されます。 なお、短時間労働者の社会保険加入に関する月額8.8万円以上の賃金要件は、2026年10月に撤廃されました。 ただし、最低賃金の減額特例の対象で月額賃金が8.8万円未満の短時間労働者は原則として加入対象外となり、本人の申出により任意加入できます。
退職届を出す前に確かめておきたいこと
会社を辞めた後の休業中の支えは、次に入る健康保険で変わります。退職を決める前に、加入する健康保険に傷病手当金があるか、療養中なら継続給付の要件を満たすかを、加入先や住んでいる市区町村の案内で確かめておきましょう。働けなくなったときの生活費をどう賄うかも考えておくと、新しい暮らしに落ち着いて踏み出せます。
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