長期の資産形成に効く「株価ニュースの引き算」

2026年も残りわずか。

年始の日経平均株価は51,000円台からスタートし、70,000円台に乗せる場面がありました。

ただ、一本調子で上昇してきたわけではなく、途中で大きな下落も経験しています。

今後は、米中間選挙や各国の金融政策の発表なども控えており、様々な思惑や予測が報じられるでしょう。

こうしたなか、テレビやインターネットで、「日経平均株価が前日比〇〇円以上値下がりし、歴代〇位の下落幅を記録した」といったニュースが流れることがあります。そのようなニュースを見ると、資産運用を続けることに不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

今回は、冷静に長期投資を続けるために、株価下落のニュースで伝えられる数字を見るときのポイントを解説します。

株価が下落しても淡々と運用を続けることが大切です

前提として、「長期・積立・分散」の資産運用を成功させるには、株価が下落しても運用をやめてしまわないことが大切だとウェルスナビでは考えています。どんな相場でも淡々と運用を続けることで、短期的にリターンが悪化したとしても、中長期的には経済成長に伴う大きなリターンを目指すことができます。

とはいえ、ニュースなどで株価の下落を知ると、不安になって「運用を中断したほうがよいのではないか」と考えてしまいやすくなります。そのような状態を避けるには、ニュースを意識的に見ないようにすることも一つの手ですが、完全に遮断するのは難しいのではないでしょうか。

下落「率」にも注目してみましょう

そこでおすすめしたいのが、株価下落のニュースを目にした際は、報じられやすい下落「幅」(いくら下がったか)だけでなく、下落「率」(どれくらいの割合で下がったか) にも注目してみることです。

どういうことなのか、日本の代表的な株価指数である日経平均株価を例にご説明します。まずは下落「幅」が大きかった順に歴代トップ10を見てみます。10位までのうち2位以外は、2024年以降であることがわかります。

下落「幅」の大きさは2024年以降が上位を独占

日経平均株価の下落「幅」歴代トップ10(前営業日の終値と比較、2026年10月23日時点)

次に、下落「率」の歴代トップ10を見てみます。今度は一転して、2024年以降は2位のみとなりました。上位には、ブラックマンデー(1987年)やリーマン・ショック(2008年)などの歴史的な相場下落が並んでいます。

下落「率」の上位10位までに2024年以降は1つしかない

日経平均株価の下落「率」歴代トップ10(前営業日の終値と比較、2026年10月23日時点)

株価が大きくなれば、下落「幅」も大きく見える

なぜ最近になって歴代でも上位となる下落「幅」が頻発しているのでしょうか。その理由は、日経平均株価が過去と比べて大きく上昇しているからです。

2000年代から2010年代にかけて、日経平均株価はおおむね1万円前後から2万円台で推移していましたが、2026年10月26日時点では6万円を超えています。株価が1万円だと1%の下落「幅」は100円ですが、6万円の1%の下落「幅」は600円であり、同じ1%の下落「率」でも下落「幅」は大きくなります。

このように、歴代でも上位の下落「幅」が最近多く生じているのは、日本株に限った話ではありません。米国などでも長期的な株価の上昇により、同様の傾向が見られます。

下落「幅」の大きさに惑わされず、冷静に運用を続けましょう

下落「幅」だけに着目すると、「とんでもないことが起きている」と過度に深刻にとらえてしまうかもしれません。しかし、下落「率」もあわせて見ることで、株価下落のインパクトをより冷静に把握することができます。

たとえば2025年までの10年間に、日経平均株価の1日の下落「率」が5%を超えた回数は平均で年1回程度でした(※)。下落「幅」が大きく見えても、下落「率」が3%程度だった場合には、「よくあること」と受け止めることもできそうです。たとえば株価が6万円だと、3%の下落「幅」は1,800円になります。

株価水準が過去と比べて高くなっているからこそ、変化の「幅」と「率」の違いを心にとどめておく。それだけでも、落ち着いて長期投資を続けやすくなるはずです。

また、日本株を含む世界中の株式のほか、債券や金、不動産に分散投資をした場合、資産全体のリスクを抑えることができます。

日経平均株価が大きく動くと、ニュースで大きく取り上げられます。そのような場合でも、「長期・積立・分散」の資産運用では特別な行動を取る必要はありません。短期的な相場変動に一喜一憂せず、長い目で資産を育てていきましょう。

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※あくまでも平均であり、年によってばらつきがあります。1日の下落「率」が5%を超えた回数が0回だった年もある一方、2016年には3回ありました。5%超の下落が1年に何度も起こることもあると知っておくことも、冷静に長期投資を続ける一助になります。

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 長期の資産形成に効く「株価ニュースの引き算」 」