iDeCoの掛金は全額が所得から引ける。ただし税がかからなければ軽くなる分はない
iDeCoは税金が軽くなると聞いて、始めるかどうか迷っている方もいるでしょう。ただ、今は収入が少なく、自分にも効くのかは分かりにくいものです。税が軽くなるのは掛金を所得から差し引く仕組みによるもので、効き目があるかどうかは、今の自分に所得税や住民税がかかっているかで分かれます。
払った掛金がそのまま所得から差し引かれる仕組み
国税庁の案内(令和8年4月1日現在法令等)では、iDeCoの掛金にあたる個人型年金加入者掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象で、控除できる金額はその年に支払った掛金の全額です。所得税法も、支払った掛金をその年の総所得金額などから差し引くと定めています。
住民税も考え方は同じで、地方税法は、前の年に支払った掛金の合計額を前の年の所得から差し引くと定めています。差し引いた分だけ税の計算のもとになる所得が小さくなり、所得税と住民税が軽くなります。
国民年金基金連合会が運営するiDeCo公式サイトは、毎月の掛金が1万円で、所得税を10%、住民税を10%とすると、年間2.4万円の税金が軽くなる例を示しています。この例は、所得税と住民税がその税率でかかっていることを前提にした数字です。
税がかかっていない人に控除が効かない理由
気をつけたいのは、差し引く相手となる所得に税がかかっていない場合です。iDeCo公式サイトも、課税所得がない人は掛金の所得控除を受けられないと注意を促しています。所得から差し引く仕組みのため、もともと所得税も住民税もかかっていなければ、掛金を払っても軽くなる税はありません。
たとえば、自分の収入がなく、配偶者の収入で暮らしている人が掛金を払う場合です。iDeCo公式サイトによると、所得控除は本人の所得からだけ差し引かれ、配偶者の所得からは差し引かれません。
控除の受け方と、運用中・給付時の税の扱い
控除を受ける手続きは、掛金の払い方で変わります。iDeCo公式サイトの案内では、勤務先の給与から天引きで払う人は、給与から掛金を差し引いたうえで源泉徴収が行われるため、自分での申告手続きは要りません。自分の口座から振り替えて払う勤め人は年末調整で、自営業の人などは確定申告で、国民年金基金連合会が発行する控除証明書を使って申告します。証明書は、その年の1月から9月までに払い込みがあった人には、令和8年分では電子データが令和8年10月21日から順次発行予定、ハガキが令和8年10月23日発送予定と案内されています。
掛金の控除とは別に、運用している間と給付を受けるときにも、税の扱いが決まっています。厚生労働省の制度概要などをもとにすると、次のとおりです。
始める前に、自分にかかっている税を確かめておく
iDeCoの掛金は全額が所得から差し引かれ、所得税と住民税が軽くなる仕組みです。ただ、その効き目は今かかっている税があってこそで、課税所得がなければ掛金の控除は受けられません。まずは源泉徴収票や住民税の通知書で自分の税を確かめ、始めるか、続けるかは収入と税の見通しに合わせて決めてください。分からない点は、税務署や住んでいる市区町村の税の窓口で確かめられます。
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