家族の入院、付き添いは義務ではない。看護は病院が担うのが国の決まり
親の入院が決まり、仕事を休んで付き添うべきか迷っている方もいるのではないでしょうか。病院から付き添いの話が出ると、家族なら当然と受け止めてしまいがちです。けれども、健康保険が使える病院では、入院中の看護は病院の看護要員が行うものとされています。家族の付き添いは、病状などに応じて医師が許可した場合の例外にすぎません。
入院中の看護は病院の看護要員が行うのが前提
まず押さえたいのは、入院中の看護を誰が担うのかという点です。健康保険が使える病院(保険医療機関)が守る国の規則「保険医療機関及び保険医療養担当規則」は、入院患者が自分の負担で、病院の従業者ではない人から看護を受けるようにさせてはならないと定めています。同じ規則は、病院が自前の職員で看護できるよう、人手の確保などの体制づくりに努めることも求めています。
この考え方を具体的に示しているのが、厚生労働省が令和8年3月5日付で出した、入院基本料などの施設基準を示した通知です。要点は次のとおりです。
医師の許可があれば家族も付き添える
例外として通知が認めているのが、医師の許可を得た家族などの付き添いです。挙げられているのは、患者の病状による場合と、治療を理解するのが難しい小児患者や知的障害のある患者などの場合です。たとえば治療の意味をまだ理解しにくい年齢の子どもが入院し、医師の許可のもとで親が付き添うのは、この形にあたります。付き添えるのは、患者がお金を払って頼む人ではなく、患者の負担によらない家族などです。
注意したいのが、付き添う人の役割です。通知は、家族などの付き添いであっても、病院の看護要員による看護を代わったり、その看護の手を補ったりしてはならないとしています。家族の付き添いについて通知が使う言葉は「差し支えない」で、家族に付き添いを課す書き方にはなっていません。
付き添いを頼まれたときに確かめたいこと
病院から付き添いを頼まれたら、まず医師の許可にもとづく付き添いなのかを聞いてみましょう。次に、付き添っている間に家族が何をする想定なのかを確かめると、看護は病院が担うという前提との線引きがはっきりします。仕事や家庭の事情で付き添えないときも、その事情を早めに病院へ伝えておくことが大切です。
家族の関わり方は付き添いだけではありません。同じ通知は、感染対策などの正当な理由なく家族の面会を妨げないよう、病院が面会の決まりを作って定期的に見直し、病棟の見やすい場所に掲示することが望ましいとしています。面会の時間や方法も、あわせて確かめておくとよいでしょう。
付き添えなくても引け目を感じなくていい
入院中の看護は病院の看護要員が担い、家族の付き添いは病状などに応じて医師が許可した場合の例外です。付き添えないことに、引け目を感じる必要はありません。付き添いを頼まれたら、医師の許可によるものか、何を求められているのかを落ち着いて確かめましょう。面会や連絡の取り方も含めて病院と話し合いながら、無理のない関わり方を選んでください。
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