SNSの「お金を貸します」、個人でも繰り返し貸せば貸金業。給料の買取りも実態は貸付け
秋は結婚式に招かれることが増える季節です。家電の故障まで重なって給料日前にお金が足りなくなると、SNSの「お金を貸します」という書き込みが気になるかもしれません。個人どうしの気軽なやり取りに見えても、その向こうに個人を装ったヤミ金融業者がいることがあります。
給料日前の出費が重なり、SNSの書き込みに目が止まった30代の会社員
「給料日まで、手元のお金が持ちそうにない。」30代の会社員は、洗濯機が急に壊れた直後に友人の結婚式の招待状を受け取り、買い替えの費用とご祝儀が重なりました。
そんなとき、SNSで「個人でお金を貸します」「給料を買い取ります」という書き込みが目に入りました。連絡しかけて、素性の分からない相手に勤め先や連絡先を伝えることになると気づき、手が止まりました。
個人を名乗っていても、繰り返し貸すなら貸金業
金融庁は、個人であっても、繰り返し貸すつもりでお金を貸すことは貸金業に当たると説明しています。貸金業を営むには国か都道府県の登録が必要です。誰でも見られるSNSで「お金を貸します」などと書き込んで契約を勧めることも、貸金業法の規定に抵触する場合があり、無登録の営業や無登録業者の勧誘は、どちらも罰則の対象です。
借りる側にも危険があります。金融庁によると、個人間融資では個人を装ったヤミ金融業者が違法な高金利で貸し付けるほか、個人情報の悪用などで犯罪被害やトラブルに巻き込まれるおそれがあります。
給料の買取りをうたう取引も、貸金業に当たる
SNSで見かける「給料を買い取ります」は、給与ファクタリングと呼ばれる取引の誘いです。金融庁は、働く人が勤め先から給料を受け取る権利(賃金債権)を業として買い取ってお金を渡し、本人を通じて回収することは貸金業に当たるとしています。国民生活センターも、業者が貸し付けではないとうたっていても、実態は貸金業であり借金と同じだと指摘しています。
最高裁判所も、令和5年2月20日の第三小法廷決定で、「給料ファクタリング」と称した取引で顧客に渡されたお金を、貸金業法と出資法にいう「貸付け」に当たると判断しました。無登録のヤミ金融業者を使うと、高額な手数料や勤務先への連絡などの悪質な取立てに苦しむ危険があり、本来の給料より少ない額しか受け取れず生活が破綻するおそれもあります。
見かける誘いと、登録の確かめ方
相手が貸金業の登録を受けているかは、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスで調べられます。ただ金融庁によると、架空の登録番号で登録業者を装う無登録業者もいます。金融庁や財務局が警告した無登録業者の名前は令和8年9月18日時点で公表されていますが、載っていない業者でも無登録営業をしていることがあります。
連絡する前に、相談先へ
SNSの「貸します」「買い取ります」には連絡しないのが、身を守る近道です。迷ったときや、すでにやり取りを始めたときは、一人で抱え込まず、金融庁の金融サービス利用者相談室、警察、消費生活センターに相談してください。次の急な出費に向けて、家計に予備のお金を分けておくと安心です。
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