もしものときの医療の希望、家族と話していますか。人生会議は何度でも話し合い直せる
親が入院し、医師から今後の治療について家族の考えを聞かれる場面があります。そのとき、自分がもしものときに望む治療を、まだ誰にも話していないと気づく人もいるでしょう。厚生労働省が勧める人生会議は、その希望を前もって考え、身近な人と話し合っておく取り組みです。答えは一度で出さなくてよく、気持ちが変われば何度でも話し合い直してかまいません。
人生会議が勧められている理由
命に関わる大きな病気やけがは、誰にでも、いつでも起こりえます。厚生労働省は、もしものときに望む医療やケアを前もって考え、家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合い、共有しておく取り組みを人生会議と呼んでいます。ACP(アドバンス・ケア・プランニング)を、なじみやすい言葉にした愛称です。
ただ、実際に話し合えている人は多くありません。厚生労働省の令和4年度の意識調査では、人生の最終段階で受けたい・受けたくない医療・ケアについて、家族等や医療・ケアに携わる人と話し合ったことがある一般国民は29.9%でした。話し合ったことがない人の理由で最も多いのは、話し合うきっかけがなかったから(62.8%)です。
人生会議を進める5つの段取り
厚生労働省のリーフレットは、大切にしていること、信頼できる人、話し合い、共有の順に問いかけています。表にすると次のとおりです。
人生会議ポータルサイトは、大切なのは正解を出すことではなく、気持ちを家族や信頼できる人と共有しておくことだとしています。
本人が意思を伝えられないときの考え方
厚生労働省の人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン(平成30年3月改訂)は、医療従事者から適切な説明を受けたうえでの本人の意思決定を基本とし、本人の意思が確認できない場合は医療・ケアチームの中で慎重に判断するとしています。家族等が本人の意思を推定できるなら、その推定意思を尊重し、本人にとって最善の方針をとることが基本です。推定できない場合も、家族等と十分に話し合い、本人にとっての最善を探るとしています。
ここでいう家族等は法律上の親族に限らず、親しい友人なども含み、複数人いることも考えられるとされています。日頃から繰り返し話し合っておけば本人の意思を推定しやすくなると、ガイドラインの解説編は説明しています。
迷いながらでも、まず一言から
人生会議は、一度で結論を出す場ではありません。リーフレットは、心身の状態に応じて意思は変わることがあるため、何度でも繰り返し考え、話し合うよう勧めています。本人が主体的に進めるもので、考えたくない人への十分な配慮も必要とされています。まずは大切にしたいことを、信頼できる人に話すところから始めてみてはいかがでしょうか。
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