家族信託で財産を預かる子が倒れたら。後任が就任しないまま1年で信託は終わる
家族信託で財産を預かる子が倒れたら。後任が就任しないまま1年で信託は終わる

親の家と預金を家族信託にして、長男が受託者として預かっています。手続きを終えてひと安心でも、預かる長男もまた年を重ねていきます。もし長男が先に亡くなったり、判断能力が衰えたりしたら、親の財産の管理はどうなるのか。見落とされやすいのは、次の受託者が就任しないまま1年が過ぎると、信託そのものが終わるという信託法の決まりです。

受託者の任務が終わる場面

家族信託で親の家や預金を預かり、管理している子は、信託法でいう受託者です。信託法は、受託者の任務が終わる事由として、個人である受託者の死亡、後見・保佐の開始審判、破産手続の開始決定、辞任や解任、信託行為に定める事由などを挙げています。

注意したいのが、判断能力が衰えた場合の扱いです。後見や保佐が始まると任務が終わるのが原則ですが、信託行為に別段の定めがあれば、その定めに従うとされています。

受託者が亡くなったときは、新しい受託者などが信託事務を処理できるようになるまで、その相続人などが信託財産を保管し、引継ぎに必要なことをしなければなりません。

次の受託者が就任するまでの道筋

では、次の受託者はどう決まるのでしょうか。まず信託行為に新しい受託者の定めがあれば、指定された人が候補になります。ただ、指定された人が信託を引き受けない、あるいは引き受けられないこともあります。そのときや定めがないときは、委託者と受益者の合意で新受託者を選任できます。委託者がすでにいない場合は、受益者が選任できます。

合意がまとまらないときは、協議の状況などに照らして必要があると認められれば、裁判所が利害関係人の申立てにより新受託者を選任できます。新受託者が選ばれるまでの間は、必要があれば、裁判所が申立てを受けて信託財産管理者による管理を命じることもできます。

就任しないまま1年で信託は終わる

もう一つ押さえたいのが、時間の区切りです。受託者が欠け、後任の受託者が就任しないまま1年続くと、信託は終了します(信託法第163条第3号)。

たとえば、受託者の長男が亡くなり、契約で指定していた次男も引き受けなかった場合、合意や申立てを進めないまま1年が過ぎれば、信託そのものが終わります。ここまでの流れを、起きたことごとに並べると次のとおりです。

家族信託で財産を預かる子が倒れたら。後任が就任しないまま1年で信託は終わる

次の担い手を契約の段階で決めておく

受託者が欠けても、信託法には次の受託者を選ぶ道が用意されています。まずは信託契約に新受託者の定めがあるか、誰をどの順で指定しているかを確かめましょう。指定した人には、引き受けてもらえるかを元気なうちに話しておくと安心です。定めがないまま受託者が欠けたら、1年の期限を意識して、合意や裁判所への申立てを早めに進めてください。

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 家族信託で財産を預かる子が倒れたら。後任が就任しないまま1年で信託は終わる 」