親の車で事故を起こしたら。自賠責が払うのは人の損害だけ、車の修理代は出ない
親の車で事故を起こしたら。自賠責が払うのは人の損害だけ、車の修理代は出ない

親の車を借りるとき、自分の事故の賠償が親の車の保険でどこまでまかなえるかは見落としがちです。車ごとに加入が義務づけられた自賠責が払うのは、相手の命やけがにかかわる損害だけで、被害者1人ごとの上限もあります。鍵を受け取る前に、証明書と保険証券を確かめておきましょう。

親の車の鍵を受け取った20代の会社員の迷い

「この車の保険って、自分が運転しても使えるのかな」。週末に親の車で買い物へ出かける20代の会社員の男性は、鍵を受け取ったところで手が止まりました。人をはねたら、賠償は親の車の保険から出るのか。相手の車を壊したら、修理代はどうなるのか。

親に聞くと、自賠責の証明書は車に備え付けてあり、任意保険にも入っているとのこと。ただ、誰が運転したときに補償されるかは、親も覚えていませんでした。

自賠責は車ごとの義務で、払うのは人の損害だけ

自動車損害賠償保障法(自賠法)の第五条は、自賠責の契約がない自動車を運行の用に供してはならないと定めています。第十一条は、その契約が車の保有者の賠償責任に加え、運転者が被害者に負う責任も埋めるとしています。

国土交通省の案内では、自賠責の対象は人身事故の対人賠償だけで、相手の車や塀などの物の損害、運転した本人のけがや車の損害は対象外です。上限は被害者1人ごとで、1つの事故で被害者が複数いれば1人ずつ決まります。

親の車で事故を起こしたら。自賠責が払うのは人の損害だけ、車の修理代は出ない

持ち主の責任と、上限を超えた分の行き先

自賠法の第三条は、自己のために自動車を運行の用に供する者が、その運行で他人の生命や身体を害したときは賠償の責任を負うと定めています。ただし、自己と運転者が注意を怠らなかったこと、被害者か運転者以外の第三者に故意または過失があったこと、車に構造上の欠陥や機能の障害がなかったことを証明したときは、この限りではありません。車を貸した親も、この条文に当たれば責任を負う立場です。

国土交通省は、死亡や障害が残る事故では、自賠責の上限を超えた賠償の義務が生じることがあると説明しています。上限を超えた対人賠償や対物賠償に支払われるのが任意の自動車保険で、支払の対象などは商品ごとに異なります。

借りる前に確かめたい、証明書と保険証券

まず、自賠責の証明書で期間を確かめます。国土交通省は、期限が切れたまま更新せずに乗ると、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になると注意を促しています。

次に、任意保険の保険証券で運転する人の範囲を見ます。金融庁の保険会社向けの監督指針は、自動車保険で顧客の意向を確かめる例に、若年運転者不担保特約や運転者限定特約の有無を挙げています。範囲から外れていれば、運転する前に親の契約先の保険会社や代理店に確かめ、補償を用意してから運転席に座る順番です。

足りない部分を知ってから運転席へ

親の車の保険は、法律で決まった自賠責と、契約で中身が決まる任意保険の二段です。自賠責は人の損害だけを上限つきで払い、物の損害や上限を超えた分は任意保険の契約しだいです。借りる前に親と証明書と保険証券を開き、自分が補償の範囲に入るかを確かめてから出かけましょう。

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 親の車で事故を起こしたら。自賠責が払うのは人の損害だけ、車の修理代は出ない 」