生命保険の満期金、税金は誰が保険料を払ったかで分かれる。所得税か贈与税か
生命保険の満期の案内が届くと、受け取るお金に税金がかかるのかが気になります。国税庁の案内では、満期金は所得税か贈与税のどちらかの対象です。分かれ目は、誰が保険料を負担し、誰が受け取るかという組み合わせです。夫が払ってきた保険の満期金を妻が受け取る形なら、贈与税の対象になります。
受取人の欄に妻の名前を見つけた60代の夫婦
「満期のお金って、受け取ったら税金がかかるのかしら」。60代の妻は、保険会社から届いた満期の案内を開き、受取人の欄に自分の名前があるのを見つけて手を止めました。保険料は、夫が長年払い続けてきました。
夫は「家族の保険なんだから、どちらが受け取っても同じだろう」と言います。けれども、満期金が妻の収入になるのか、夫からもらったお金になるのかで、かかる税金の種類が変わります。
分かれ目は保険料を負担した人と受取人の組み合わせ
国税庁 No.1755 は、生命保険の満期や解約で保険金を受け取ったときの税金を、保険料の負担者と保険金受取人が誰かで分けています。両者が同じ人なら所得税、異なる人なら贈与税の対象です。
保険料を負担した本人が受け取ると一時所得
保険料を払ってきた夫自身が満期金を一時金で受け取ると、一時所得になります。国税庁 No.1755 によると、ほかに一時所得がなければ、受け取った総額から払い込んだ保険料を差し引き、さらに特別控除額50万円を差し引いた額が一時所得の金額です。課税の対象になるのは、その額をさらに2分の1にした額です。No.1490 によると、この額を給与などほかの所得と合計してから税額を計算します。
例外として、一時払養老保険などで一定の要件を満たす契約のうち、保険期間が5年以下のものや、5年以内に解約したものは、差益に源泉分離課税が適用され、源泉徴収だけで課税関係が終わります(No.1755・No.1520)。なお、満期金を年金で受け取ると雑所得になります。
夫が払った保険を妻が受け取ると贈与税の対象
国税庁 No.4417 は、保険料を負担していない人が満期や解約で生命保険金を受け取った場合、保険料を負担した人からその保険金の贈与があったものとされる、としています。冒頭の夫婦の契約も、これに当たります。ただし、けがや病気などによる保険金は除かれます。
国税庁 No.4402 によると、暦年課税では、その年の1月1日から12月31日までに受けた贈与の合計額から、基礎控除額110万円を差し引いた残りに贈与税がかかります。満期金は、同じ年に受けたほかの贈与と合わせて数えます。
受け取る前に、保険証券と払い込みの記録を見比べたい
満期金にかかる税の種類は、誰が保険料を負担し、誰が受け取るかで分かれます。受け取る前に、保険証券で契約者と満期の受取人を確かめ、保険料を実際に払ってきたのは誰かを家族で確認しておきましょう。満期の案内の受取額と払込保険料の総額も見ておくと安心です。迷ったら税務署に相談してみてください。