自転車で人にけがをさせたら。条例で賠償の保険などへの加入を義務にする地域もある
自転車で人にけがをさせたら。条例で賠償の保険などへの加入を義務にする地域もある

「自転車の事故なら大ごとにはならない」と思っていませんか。警察庁は、自転車による事故にも刑事と民事の責任が生じると案内しています。しかも、賠償に備える保険などへの加入を条例で義務にしている都府県があります。いまの保険で足りるのか、手元の証券と住んでいる地域の条例を、事故の前に確かめておきましょう。

通勤路で歩行者とぶつかりかけた40代会社員の戸惑い

「もしぶつかっていたら。自分は保険に入っていたかな」。通勤と買い物に毎日自転車を使う40代の会社員は、帰り道の交差点で、角から出てきた歩行者と接触しかけました。けがはなく済みましたが、帰宅後に不安がふくらみました。自動車保険と火災保険には入っていても、自転車で人にけがをさせたときに補償されるのか、県に加入の決まりがあるのかも分かりません。

歩行者にけがをさせた運転者が負う、刑事と民事の責任

警察庁によると、道路交通法上、自転車は軽車両と位置付けられ、自転車による事故も交通事故に該当して、刑事・民事上の責任が生じます。

民事上の責任の中心は、相手への損害賠償です。国土交通省は、加害者が数千万円もの高額の損害賠償を命じられる判決事例が出ていると説明しています。国土交通省の検討会資料では、神戸地裁の平成25年7月4日の判決で、歩行中の女性が小学生の自転車と衝突して意識が戻らない状態となった事故の賠償額が9,521万円とされています。

加入の義務があるかは、都道府県の条例で分かれる

国土交通省によると、令和6年4月1日現在、34都府県が賠償の保険などへの加入を条例で義務化し、10道県が努力義務化しています(公布日ベース)。同じ時点で3県は未制定で、全国一律の決まりではありません。その後、富山県では令和8年10月1日から、自転車損害賠償保険等への加入が努力義務から義務へ変更されました。

国土交通省が示す標準条例(ひな型)は、自転車の運行で人の生命や身体が害されたときの損害賠償を保障できる保険や共済への加入を、自転車を使う人(未成年者を除く)と、未成年者が乗るときの保護者に求めています。ただし、ほかの人がその利用について加入の措置を講じていれば、この限りではないとしています。

特約や共済でも足りる場合がある。証券で確かめたいこと

見落としやすいのが、自転車向け以外の保険に付く特約です。標準条例の条文解説は、自動車保険や火災保険などの特約として、日常生活賠償特約や個人賠償責任補償特約などの名称で扱われているものを代表例に挙げています。一方、事業者向けの保険は、従業者の通勤中の自転車事故を対象外とすることが多いとしています。

自転車で人にけがをさせたら。条例で賠償の保険などへの加入を義務にする地域もある

事故の前に、証券と地域の条例を一度見ておく

自転車でも、人にけがをさせれば刑事と民事の責任を負うことがあり、賠償額が大きくなった判決もあります。条例による加入の義務は、都道府県ごとに扱いが違います。住む県と通勤先の条例を確かめ、今の保険に個人賠償責任の特約があるか、家族も対象かを証券で見ておきましょう。迷うときは契約している保険会社に問い合わせてみてください。

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 自転車で人にけがをさせたら。条例で賠償の保険などへの加入を義務にする地域もある 」