親のマンションの相続税評価は令和6年から変わった。固定資産税評価額のままとは限らない
親のマンションの相続税評価は令和6年から変わった。固定資産税評価額のままとは限らない

実家のマンションの固定資産税の通知に載る評価額を見て、相続税でも同じ額なのかと思ったことはありませんか。分譲マンションの一室の相続税評価には、令和6年1月1日以後の相続や贈与から新しい補正が加わりました。補正が入る部屋もあれば入らない部屋もあり、通知の評価額がそのまま相続税で数える額になるとは限りません。

実家の固定資産税の通知を前に考え込む50代の男性

「相続税でも、この評価額で数えるのかな」。父が長年暮らす分譲マンションの固定資産税の通知を見ながら、50代の男性はそうつぶやきました。いずれ自分が受け継ぐかもしれない部屋です。評価の決まりが令和6年から変わったと聞いたものの、中身までは分かりません。

従来の評価に区分所有補正率を掛ける形へ

国税庁の案内では、マンションは敷地利用権(土地部分)と区分所有権(家屋部分)の価額を合わせて評価します。家屋は固定資産税評価額に1.0を掛けるので、従来は固定資産税評価額と同じ額です。敷地は路線価方式か倍率方式で敷地全体を評価し、敷地権の割合(共有持分の割合)を掛けます。

令和6年1月1日以後に相続や遺贈、贈与で取得した居住用の区分所有財産は、法令解釈通達により、この2つの価額にそれぞれ区分所有補正率を掛けて評価します。補正率を決めるのが評価乖離率で、その逆数を評価水準と呼びます。評価水準が0.6未満なら評価乖離率に0.6を掛けた値が補正率になり、1を超えるなら評価乖離率そのものが補正率です。0.6以上1以下なら補正はありません。

評価水準が1を超える部屋は補正率が1未満になり、評価額を減らす計算になります。国税庁は見直しの背景に、評価額と市場価格の開きが大きい事例で通達の定めによらない評価の適用が争われた最高裁令和4年4月19日判決の後に、その開きへの批判が高まったことを挙げています。見直しはタワーマンションなどの一部に限らないとしています。

補正を左右する4つの数字と、対象から外れる建物

評価乖離率は、次の4つの数字から求めます。

親のマンションの相続税評価は令和6年から変わった。固定資産税評価額のままとは限らない

見落としやすいのが面積です。国税庁のQ&Aによると、専有部分の面積は登記簿上の床面積で共用部分を含まず、固定資産税の課税での床面積とは異なります。

国税庁の案内では、総階数が2以下の建物、居住用の専有部分が3以下でその全部を区分所有者や親族が住まいに使う建物、区分建物の登記がされていない建物などは、この補正の対象外です。また、通達どおりの評価が著しく不適当と認められる場合は財産評価基本通達の6項で補正後より高く評価されることがあり、逆に市場価格の大幅な下落などがあれば鑑定評価などで時価を求めることもできます。通達は算式と0.6の値を適時見直すとしています。

手元の書類で4つの数字をそろえておく

まずは固定資産税の課税明細書で家屋と土地の評価額を、登記事項証明書で築年数や総階数、所在階、敷地権の割合と床面積を確かめておくと見通しが立ちます。区分所有補正率は国税庁の計算明細書で求め、申告書に添えて提出します。迷ったら、その時点の国税庁の案内を確かめて税務署に相談してください。

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 親のマンションの相続税評価は令和6年から変わった。固定資産税評価額のままとは限らない 」