タクシーの事前確定運賃は渋滞でも上がらない。ただし途中で行き先を変えると精算が分かれる
秋の行楽先で配車アプリを開くと、「事前確定運賃」という表示を見かけることがあります。乗る前に金額が決まる仕組みですが、途中で行き先を変えたときの扱いや、迎車料金が運賃とは別に扱われる点は意外と知られていません。仕組みを押さえ、乗る前に表示を確かめる習慣をつけましょう。
乗る前に金額が決まる事前確定運賃の中身
国土交通省は令和元年10月25日に事前確定運賃を認可し、10月28日以降、準備が整った地域からサービスが始まりました。配車アプリで乗車地と降車地を入れると、地図上の走行距離や推計所要時間などをもとに運賃が計算され、乗車前に確定します。利用規約に同意して運賃を確定させ、配車を頼みます。
同省は、乗る前に運賃が決まることで「渋滞や回り道で高くなるかもしれない」という不安がなくなると説明しています。通達は配車アプリに、2つ以上のルートや有料道路を使うかどうかを選べる機能を求めています。運転者が交通規制などでルートを変えるときは乗客の同意を得て、受け取る運賃は確定した額のままです。
メーターの運賃との違いと、安くなるとは限らない理由
事前確定運賃がいつも安くなるとは限りません。通達は、乗客が同意する前に「道が空いている場合等、事前確定運賃額が距離制運賃や定額運賃よりも高くなる場合がある」と示すよう求めています。荒天やイベントで大規模な交通規制が予想されるときは適用されません。
令和5年7月1日から施行された改正通達には、需給に応じて運賃を変える事前確定型変動運賃の決まりも入っています。どの地域・事業者で使えるかは配車アプリ会社などに確かめるよう、国土交通省は案内しています。
行き先の変更と迎車料金で気をつけたいこと
見落としやすいのが、乗ってから行き先を変える場合です。乗客の都合でルートを変えると、事前確定運賃での運送はその時点で終わり、確定額を払ったうえで、その地点からはメーターか新たな事前確定運賃で運ぶ決まりです。ただし、ルート上の施設に短い時間だけ立ち寄るのを事業者がやむを得ないと判断した場合は、この変更に含まれません。
迎車料金は事前確定運賃とは区分して扱われる料金です。通達が認める決め方は、1回ごとの定額(一定の距離まで無料、距離に応じた段階、需要に応じた設定を含む)と、車が出発した地点からメーターを動かして初乗運賃額までとする方式の2通りで、どれを使うかは事業者によって異なります。
需要に応じて変える変動迎車料金は、令和2年11月30日に事業者からの申請受付が始まりました。空いている時期は割安、混む時期は割高になり、トータルでは固定の迎車料金と変わらないよう変動させることが条件です。
乗る前の表示を確かめれば安心して選べる
乗る前に金額が決まり、渋滞でも上がらないのが事前確定運賃の安心材料です。ただ、道が空いていればメーターより高くなる場合があり、行き先を変えると精算が分かれます。配車を頼む前に、運賃と迎車料金の表示、選んだルートを確かめましょう。
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