生前葬でお礼を伝えても、死亡届と火葬の許可は別に要る。家族に残す段取り
元気なうちに、お世話になった人へ直接お礼を伝えたいと考えて、生前葬を開く人がいます。ただ、会を開いても、亡くなった後の死亡届や火葬の手続きがなくなるわけではなく、それを担うのは残された家族です。会の準備と一緒に、亡くなった後の段取りも家族と話しておきましょう。
お別れの会を思い立った70代の女性と、子どもの問い
「お世話になった人たちに、元気なうちにお礼を言っておきたいの」。70代の女性は、友人やかつての同僚を招いて、お別れの会を開こうと考えました。会費制にして香典は受け取らないこと、招く人は自分で選ぶことを決め、案内状にもそう書くつもりです。
会場と料理は見積書を明細つきで受け取り、打ち合わせには子どもにも同席してもらうことにしました。国民生活センターは2026年6月3日の発表で、葬儀の料金トラブルを防ぐために、見積書を必ず受け取って明細を確かめることや、打ち合わせを複数人で行うことを呼びかけました。亡くなった後の葬儀に向けた助言ですが、会の準備にも同じ考え方が役立ちます。
ところが子どもから「それで、お葬式はもう要らないってこと?」と聞かれ、答えに詰まりました。死亡届は、死亡の事実を知った日から出す決まりです。元気なうちに会を開いたかどうかにかかわらず、亡くなった後の手続きは別に残ります。
亡くなった後の死亡届は、残された家族が出す
死亡届を出すのは本人ではなく、残された家族などです。期限や届け出る人は戸籍法で決まっており、火葬の決まりとあわせると次のとおりです。
届書は、亡くなった人の死亡地か本籍地、または届け出る人の所在地の市区町村役場に出します。法務省の案内では、届書の用紙は死亡診断書・死体検案書と一体になっており、市区町村役場で入手します。
火葬の日程は、許可証を受け取れる日から逆算する
火葬の許可を出すのは、死亡の届出を受理した市区町村長です。横浜市は、火葬などを行うには死亡届とあわせて火埋葬許可申請書を出すよう案内しています。火葬場の管理者は、火葬許可証を受け取った後でなければ火葬を行ってはならないと法律で決まっており、つくば市も、許可証がなければ予約していても火葬はできないと案内しています。
火葬の日程は、表の時期の決まりと、許可証を受け取れる日を踏まえて決めることになります。生前葬を済ませていても、この段取りは変わりません。
会の案内より先に、亡くなった後の希望を家族へ
生前葬は、元気なうちにお礼を伝える場です。亡くなった後の死亡届には期限があり、火葬には許可が要ります。会の案内を出す前に、亡くなった後の葬儀をどんな形と規模にしてほしいか、誰に知らせてほしいかを家族と話し、手続きを頼むことも伝えておきましょう。
「家族葬で行います」と知らされたら。参列も香典も、案内の一文で決まる