相続税を払って継いだ実家を売る。申告期限の翌日から3年のうちなら、払った税金が取得費になる
相続税を払って継いだ実家を売る。申告期限の翌日から3年のうちなら、払った税金が取得費になる

父を見送って相続税を納め、実家を継ぎました。住む予定はないので売ろうと考えています。気になるのが、売ったときの税金です。相続した財産には、払った相続税の一部を取得費に足せる特例がありますが、期限があります。秋の彼岸に実家を訪ねた帰りに考えたい、要件と手続きを解説します。

相続税を納めて実家を継いだ50代の会社員の迷い

「相続税は納めました。実家は空いたままなので売ろうかと。ただ、売ったら今度は所得税がかかると聞いて、どうしたものかと。」父を見送り、実家の土地と建物を相続した50代の会社員は、住まない実家の扱いに悩んでいます。妹は遠方に住み、管理も負担です。

税務署の相談窓口で、払った相続税の一部を取得費に足せる特例と、その期限があると知りました。

払った相続税の一部が取得費になる特例の要件と期限

この特例の根拠は租税特別措置法39条(相続財産に係る譲渡所得の課税の特例)で、国税庁は「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」と呼びます。譲渡所得は売却額から取得費と譲渡費用を引いた残りなので、納めた相続税の一部を取得費に上乗せできれば、課税される譲渡所得はその分だけ小さくなります。

使うための条件は3つです。相続や遺贈で財産を受け取った人であること、その人に相続税がかかっていること、そして相続開始のあった日の翌日から、相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までにその財産を売っていることです。申告期限は亡くなったことを知った日(多くは死亡日)の翌日から10か月以内で、売却の期限はこの申告期限を起点に決まります。

取得費に加える相続税額は売った財産ごとに計算し、特例を使わずに出した譲渡益を上回る場合はその譲渡益の分が上限です。使えるのは譲渡所得の計算に限られます。

売却から確定申告までの段取りと、空き家の特例との関係

進め方は4段階です。はじめに相続税の申告書の控えで自分の相続税額を確かめ、先の3年の期限を売却のリミットとして押さえます。相続した不動産は自分名義への登記を済ませないと売れないので、登記を先に片づけます。売却後は翌年の確定申告で、確定申告書に「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」と譲渡所得の内訳書を添え、所轄の税務署へ出します。

気をつけたいのが、被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例との重なりです。売る期限も税の軽くなり方も取得費の特例とは異なり、同じ家では両方は使えず、どちらか一方を選びます。判断を誤らないよう、下の表で見比べてください。

相続税を払って継いだ実家を売る。申告期限の翌日から3年のうちなら、払った税金が取得費になる

売るなら申告期限を起点に、使う特例を決めてから

取得費に上乗せできるのは、相続税がかかった人が先の3年の期限内に売り、翌年の確定申告で計算明細書を添えた場合です。空き家の特例も使える家なら、売り出す前に税理士か税務署へ相談し、どちらで進めるかを先に決めておきましょう。

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 相続税を払って継いだ実家を売る。申告期限の翌日から3年のうちなら、払った税金が取得費になる 」