障害のある弟も相続人。85歳までの年数で決まる相続税の控除は、家族の税からも引ける
障害のある弟も相続人。85歳までの年数で決まる相続税の控除は、家族の税からも引ける

秋の彼岸に実家へ集まり、亡き親の相続の話が出た人もいるでしょう。相続人に障害のある兄弟や子がいるなら、相続税の「障害者控除」を確かめる場面です。額は85歳までの年数で決まり、本人の税額から引き切れない分は扶養義務者の税からも引けます。要件と段取りを押さえておきましょう。

親を見送った50代の会社員が、障害のある弟の相続税で立ち止まった場面

「弟には障害があります。控除があると聞いたのですが、弟の分の申告は誰がするのでしょうか。」親を見送った50代の会社員の女性は、精神障害者保健福祉手帳を持つ弟と相続人になりました。税理士に相談すると、相続税法19条の4の「障害者控除」という言葉が返ってきました。

3つの要件と、85歳までの年数で決まる控除額

受けられるのは、相続や遺贈で財産を取得したときに日本国内に住所があり(一時居住者で、被相続人が外国人被相続人か非居住被相続人の場合を除きます)、そのときに障害者で、法定相続人(相続の放棄があっても、放棄がなかったものとした場合の相続人)である人です。

控除額は区分と満85歳になるまでの年数で決まり、年数に1年未満の期間があるときは切り上げて1年と数えます。区分は手帳の等級などで分かれ、精神障害者保健福祉手帳の1級や身体障害者手帳の1級か2級の人などは特別障害者です。

障害のある弟も相続人。85歳までの年数で決まる相続税の控除は、家族の税からも引ける

引き切れない分は扶養義務者へ、以前の相続で受けた人には制限

控除額が本人の相続税額より大きく引き切れないときは、その部分を、同じ被相続人から財産を取得した扶養義務者の相続税額から差し引きます。扶養義務者は、配偶者、直系血族および兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者です。

今回より前の相続でも障害者控除を受けていた人は控除額が制限され、原則として、最初の相続のときに控除できた額のうちまだ控除していない残りの範囲内です。区分が前の相続と変わった人の額は税務署に確かめましょう。

手帳と年齢を確かめ、第6表を添えて10か月以内に申告

段取りは2つです。まず、相続人に手帳の交付を受けた人がいるか、その等級と相続開始のときの年齢を確かめます。相続開始のときに手帳がない人でも、申告書を出すときに交付済みか申請中で、医師の診断書などで相続開始時に手帳に記載される程度の障害があると認められれば、障害者として扱われます。そのうえで、申告書に第6表「未成年者控除額・障害者控除額の計算書」を加え、引き切れない分を扶養義務者へ回すときは、その人の分にも反映させます。提出先は被相続人の死亡時の住所地を所轄する税務署、期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。

申告書を出す義務は相続税法27条が定めており、課税価格の合計額が基礎控除額を超え、障害者控除を反映しても納付すべき相続税額がある人が対象です。ただし、配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などは適用がないものとして判定します。

弟の控除を生かすには、姉の申告にも目を向ける

障害のある弟が法定相続人で、相続開始のときに85歳未満で国内に住所があれば、障害者控除を検討する場面です。引き切れない分は、扶養義務者である姉の税額からも差し引けます。第6表を添えて申告することが入口です。迷ったら税理士か税務署に相談してみましょう。

税務署から届いた相続税の封筒。課税が決まった通知ではないが、放っておくと損をする

生前整理で貴金属を売ったら税金は?家具や服は非課税、線引きは「1個か1組の価額」

相続の生前対策、「元気なうち」しかできないこととは?6つの備えを整理

情報提供元: マネーの達人
記事名:「 障害のある弟も相続人。85歳までの年数で決まる相続税の控除は、家族の税からも引ける 」