百歳以上が10万人超え。老後の長さは、平均寿命でなく65歳の平均余命で数える
敬老の日を前に厚生労働省が公表した百歳以上の人数は、令和8年9月1日現在で107,677人でした。老後は何年続くのか。平均寿命から今の年齢を引いて見当をつける人は多いのですが、それでは年数が足りません。平均寿命は生まれた人全体の平均であり、65歳まで生きた人のこれからの年数は、65歳の平均余命で見るのが正確です。
平均寿命は「生まれた人全体」を平均した物差し
厚生労働省が令和8年7月に公表した令和7年簡易生命表では、平均寿命は男性81.35年、女性87.33年です。生命表は、その年の死亡状況が続くと仮定して各年齢の人があと何年生きられるかを表したもので、平均寿命はその0歳の値です。
平均寿命から今の年齢を引いた年数が短く出るのは、平均寿命に早く亡くなった人の分も含まれているからです。65歳まで生き残った人の平均余命は、平均寿命から65を引いた年数より長くなります。
65歳の平均余命と、平均より長く生きる幅を示す2つの物差し
65歳の平均余命は平均値で、それより長く生きる人も多くいます。上に振れる幅を見る物差しが、特定の年齢まで生存する者の割合と寿命中位数です。
表の90歳まで生存する割合は、生まれた人全体を分母にしたもので、すでに65歳になった人が、その先も生き続ける確率とは別の数字です。寿命中位数は、生まれた人のちょうど半数が生存すると期待される年数で、平均寿命を男性は2.78年、女性は2.84年上回っています。
実数で見ると、厚生労働省が令和8年9月15日に公表した百歳以上の高齢者の数は107,677人で、男性13,379人、女性94,298人です。令和8年9月1日現在の住民基本台帳による報告数で、令和8年度中に百歳になる見込みのお祝い状の対象者54,294人とは別の数です。
健康寿命との差、日常生活に制限のある期間を分けて数える
もうひとつ分けて数えたいのが健康寿命です。厚生労働省が令和6年12月に示した令和4年値では、健康寿命は男性72.57年、女性75.45年です。定義は「日常生活に制限がない期間の平均」で、国民生活基礎調査などから算出されます。生まれた人が平均して何年生きるかを示す平均寿命との差が「日常生活に制限のある期間の平均」で、令和4年の平均寿命と健康寿命の差は男性8.49年、女性11.63年です。この期間を分けて数えておくと、暮らし方の見通しが立ちます。
老後の年数は65歳の平均余命を土台に、幅と制限のある期間を足して見積もる
平均寿命から今の年齢を引く数え方は、老後を短く見積もります。65歳の平均余命を土台に、生まれた人のうち90歳まで生存する割合や寿命中位数で上に振れる幅を確かめ、日常生活に制限のある期間を分けて数えます。この3段で見れば、百歳以上が10万人を超えた時代の老後にも見通しが付きます。まず手元の年齢を表と突き合わせてみてください。