配偶者を亡くしても、その親族との関係は続く。終わらせる届出は生存配偶者が出せる
配偶者が亡くなったあと、相手の親族とどう付き合っていくか。気持ちの上で距離を置いても、法律の上の親族という関係は、そのままでは残ります。扶養の義務はどこまで及ぶのか、関係そのものを終える方法はあるのか。民法と戸籍法で確かめられるところを紹介します。
夫を亡くしたあと、夫の兄弟との付き合いに迷う人の声
「夫の兄弟とは、これからどのように付き合っていけばよいのでしょうか」。夫を亡くしてしばらく経った女性から、こうした声が聞かれます。ただ、付き合いの濃さと、法律の上の関係は別々に動きます。
秋田市の案内は、配偶者の一方と血族との関係を姻族関係といい、三親等以内の姻族は親族とされている、と説明しています。そのうえで、死亡によって婚姻が解消しても姻族関係は当然に終了せず、生存配偶者が姻族関係終了届をすることによって終了する、としています。
親族の範囲と、扶養の義務が生じる相手
法律の上の親族がどこまでかは、民法第七百二十五条が決めています。六親等内の血族、配偶者、三親等内の姻族の三つで、血族と姻族では届く範囲が違います。
扶養の義務は、その親族のうち限られた相手に生じます。裁判所は、直系血族及び兄弟姉妹は相互に扶養義務があり、引取扶養や扶養料の支払について話合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に扶養請求の調停又は審判を申し立てることができる、と案内しています。それ以外の親族は、家庭裁判所が、特別の事情があるときに、三親等内の親族のあいだで扶養の義務を負わせることができるという形です。程度や方法について当事者間に協議が調わないときも、家庭裁判所が定めます。
配偶者の親族との関係そのものを終える届出
民法第七百二十八条第二項は、夫婦の一方が死亡した場合において、生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも、姻族関係が終了すると定めています。その意思表示を届け出るのが姻族関係終了届で、戸籍法第九十六条は、死亡した配偶者の氏名、本籍及び死亡の年月日を届書に記載して届け出るとしています。
出すのは生存配偶者です。届出は、届出事件の本人の本籍地又は届出人の所在地でする決まりで、市区町村が入口です。大阪市の案内は、この届では氏や戸籍の変動はなく、婚姻前の氏に戻すためには復氏届が必要になる、としています。添える書類の扱いは市区町村で確認してください。
付き合いの距離と、法律の手当ては分けて考える
行き来の頻度は本人が決めてよいことです。一方で、法律の上の親族という関係と扶養の義務は、気持ちとは別の決まりで動きます。扶養を求められて話合いがつかないときは家庭裁判所へ、関係そのものを終えたいときは市区町村へ。入口を知っておくと、迷ったときに動きやすくなります。
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