自営業だった父の年金、止める届出で終わりにしない。遺族が請求できる2つの給付
自営業だった父の年金、止める届出で終わりにしない。遺族が請求できる2つの給付

年金の手続きは、受け取りを止める届出で終わり。親を見送ったあと、そう思って書類をしまう方は少なくありません。ですが親が自営業などで国民年金の第1号被保険者だったなら、要件を満たす場合に、遺された家族の側から請求できる給付が別に用意されています。請求できる期間にも区切りがあります。何を、どこへ、いつまでに出すのかを紹介します。

自営業だった父を見送り、母と年金の書類を広げた50代会社員

「年金は止める届出を出せば、それで終わりだと思っていました。」都内で働く50代の会社員は、自営業だった父を見送ったあと、そう振り返ります。父は保険料を自分で納めてきた国民年金の第1号被保険者でした。年金を受けていた方が亡くなったときは、必要な場合に年金受給権者死亡届(報告書)を出し、亡くなった月分までで受け取っていない分は、生計を同じくしていた遺族が自分の名で請求します(未支給年金)。この届出とは別に、遺族の側から請求して初めて動く給付があります。ただし、死亡一時金と寡婦年金は、亡くなった方が老齢基礎年金・障害基礎年金を受けたことがある場合は対象外です。

第1号被保険者だった親の遺族が請求する死亡一時金

死亡一時金は、亡くなった方の納付記録から見ていく給付です。死亡日の前日の時点で、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者として保険料を納めた月数と一部免除期間を割合換算した月数を合わせて36月以上あり、その方と生計を同じくしていた遺族がいるときに支給されます(国民年金法第52条の2)。4分の1免除、半額免除、4分の3免除といった一部免除の期間は、保険料を納めた割合に応じて月数に換算して合算します。ただし、亡くなった方が老齢基礎年金か障害基礎年金を受けたことがあるときは支給されません。遺族が遺族基礎年金の支給を受けられるときも原則として支給されませんが、子に遺族基礎年金が発生し、その子と生計を同じくする父または母がいるために子の遺族基礎年金が支給停止される場合は、その父または母が死亡一時金を受け取れる扱いがあります。

遺族基礎年金(同法第37条・第37条の2)を受けられるのは、生計を維持されていた子のある配偶者または子です。ここでいう子は、婚姻していない子で、18歳到達年度の末日までの間にある子、または障害の状態にある20歳未満の子を指します。父と母だけの家や、子が成人している家では受けられる人がいないため、一時金の出番になります。

一時金を受け取るのは、生計を同じくしていた配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹のうち優先順位の高い方です。請求は住所地の市区町村役場の窓口のほか、年金事務所や街角の年金相談センターでもできます。この一時金を受ける権利の時効は、死亡日の翌日から2年です。

妻が60歳から65歳になるまでの間受け取る寡婦年金

母の側にも、国民年金だけの給付があります。寡婦年金(同法第49条)は、死亡日の属する月の前月までの第1号被保険者として保険料を納めた期間と免除期間を合わせて10年以上ある夫が亡くなったとき、その夫と10年以上継続して婚姻関係にあり、死亡の当時その夫に生計を維持されていた妻が、60歳から65歳になるまでの間受けられます。亡くなった夫が老齢基礎年金・障害基礎年金を受けたことがあるときは支給されません。妻が繰り上げ支給の老齢基礎年金を受けているときも支給されません。

母がこの年金を受けられる場合は、一時金とどちらか一方を選びます。両方は受け取れないので、父の納付記録と母の年齢を並べ、窓口で相談してから決めることになります。

自営業だった父の年金、止める届出で終わりにしない。遺族が請求できる2つの給付

動く順番は年金事務所の記録から

まず年金事務所で、父が第1号被保険者として保険料を何月分納めていたかを確かめます。そのうえで、母に受け取れる年金があるか、一時金の順位が誰に回るかを当てはめます。期限は一時金が2年、年金の給付が5年です(同法第102条)。書類をそろえる前に、記録の確認から始めてみてください。

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 自営業だった父の年金、止める届出で終わりにしない。遺族が請求できる2つの給付