修繕積立金の預け先に迷ったら。「すまい・る債」に応募できる管理組合と中途換金の線引き
大規模修繕に向けて積み上がる修繕積立金を、口座に置いたままでよいのか。理事会でそんな声が出たとき候補に挙がるのが、住宅金融支援機構の「マンションすまい・る債」です。ただし応募できる管理組合には要項で決まった条件があり、途中で換金する線引きも先に決まっています。
修繕積立金を10年の利付債券に変える仕組み
住宅金融支援機構が国の認可を受けて発行する利付10年債券を、管理組合が修繕積立金で買うのがマンションすまい・る債です。買える額は、1年分の修繕積立金額に、前年度決算の修繕積立金会計の残高(借入金額を除いた額)を加えた範囲内です。利息は満期まで毎年1回受け取り、その額は年数に応じて決まり、満期には10年目の利息と元本(購入金額)が支払われます。募集は年1回で、同一口数であれば最大10回まで買い足せます。
利率は毎年の発行のたびに機構が決めて公表します。購入後は共用部分リフォーム融資の金利引下げも受けられます。安全面では、住宅金融支援機構法第19条第4項が保有者に機構の財産から他の債権者に先立って弁済を受ける権利を定めています。ただし要項は、機構の信用状況の悪化などで元本割れが生じる可能性も明記しています。
応募できる管理組合の4つの要件と今年度の受付
対象は区分所有建物である分譲マンションの管理組合です。一棟をまるごと貸している賃貸マンション、住宅部分を持たない建物の管理組合、それに沖縄県に建つマンションは応募できません。要件は下の表の4つで、長期修繕計画の計画期間は応募時点ではなく計画を作った時点から数えます。機構融資を結果的に使わなくても違約金は発生しません。
応募の要件に総会の決議は入っていません。ただし、積立金をどう運用するかが管理規約で総会の決めごとになっている場合は、その規約に沿って判断するよう機構は案内しています。2026年度の受付期間は10月9日までと公表されていますが、先着順のため、条件を満たしていても募集口数に達すれば終わります。
中途換金は元本が戻る。ただし時期と回数に線引き
修繕工事の費用が早めに要るときは、初回の債券発行日から1年以上たっていれば手数料なしで1口単位の中途換金ができます。換金額は購入金額(元本)に、直前の利払日の翌日から換金時までの経過利息(月割)を加えた額です。満期まで持てば10年目まで増える利息を受け取れますが、換金した分の利息はそこで止まります。
ただし換金できない期間があります。初回に買った債券は発行から1年以内、2回目以降に買った債券は発行から2か月以内で、買入日が属する月に満期償還を迎える債券も対象外です。換金には機構の審査と承認が要り、緊急の修繕工事などやむを得ない事情があれば1年未満でも個別に相談できます。一部換金は古い債券から順に充てられ、同じ月にできるのは1回だけです。
総会に諮る前に理事会で確かめる3点
まず確かめるのは、管理規約の修繕積立金の運用の定め、長期修繕計画の計画期間、機構融資で共用部分を修繕する予定の3点です。揃っていれば受付期間内に応募し、資金計画を総会で説明できます。迷ったら機構の案内資料で確認を。