宗派の違うお墓に納骨できる? 法律が決めるのは「管理者の義務」、条件は墓地の規則
宗派の違うお墓に納骨できる? 法律が決めるのは「管理者の義務」、条件は墓地の規則

彼岸の墓参りで配偶者の実家のお墓を前に、宗派の違う自分も入れるのかと考える人は多いでしょう。改宗が要ると聞きますが、改宗するかどうかは墓地の使用規則と寺院との取り決めで決まり、墓地埋葬法が定めるのは納骨を受ける管理者の側の義務です。寺と霊園の違いを知り、納骨前に確かめる点を押さえておきましょう。

法律が縛るのは納骨を「受ける側」

墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)13条は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理者に向けた条文です。管理者は、埋葬、埋蔵(お墓に納める)、収蔵(納骨堂に納める)又は火葬の求めを受けたとき、正当の理由がなければ拒んではならないと定めています。納骨する側の選択は、墓地ごとの規則で決まります。

宗派の違いは正当の理由になるのでしょうか。厚生省は昭和35年3月8日の通知で、宗教団体が経営する墓地の管理者が、申し込む人が他の宗教団体の信者であることだけを理由に埋葬や埋蔵の求めを拒むのは正当の理由と認められない、との解釈を示しました。ただし13条が扱うのは納める行為そのもので、儀礼(典礼)の方式は含まず、経営する宗教団体がその宗派の典礼で行うと定めてよいとしています。最高裁も昭和43年12月24日の判決で、この通知は行政の内部の命令で、正当の理由の判断は通知に示された事情以外も考慮されるとしています。

寺院・公営・民営で違う「宗派の条件」の決まり方

宗派の条件は、墓地ごとの使用規則や募集要項に書かれています。厚生省の墓地経営・管理の指針(平成12年12月6日)も、宗教法人の墓地に檀家向けの小規模なものと宗派を問わない事業型がある前提で、契約書と重要事項の説明書による説明を求めています。

公営墓地の条件は自治体の募集要項で決まります。京都市は令和8年度の深草墓園樹木型納骨施設の募集で宗教・宗派に関係なく使えるとし、遺骨申込みの使用資格は、申込者又は御遺骨の方が京都市民又は元京都市民で、申込者が御遺骨の方の祭祀主宰者であることです。いわき市も市営墓園を宗旨・宗派にとらわれず一定の条件で使えると案内しています。

宗派の違うお墓に納骨できる? 法律が決めるのは「管理者の義務」、条件は墓地の規則

改宗の扱いと、納骨前に確かめる順番

改宗するかどうかは、その墓地の使用規則と寺院との取り決めで決まります。墓地埋葬法が定めるのは13条の管理者の義務、つまり求めを正当の理由なく拒まないことです。

まず墓地管理者(寺院や霊園)に使用規則を見せてもらい、宗派の条件、典礼の方式、檀家になるのが条件かを読みます。次に納骨の申込を出し、当日は火葬の日時が記入された火葬許可証(別のお墓や納骨堂から移す改葬の場合は改葬許可証)を管理者に渡します(14条・施行規則8条)。合わなければ、公営墓地の要項や事業型の霊園の規則を墓地ごとに確かめます。

宗派の違いで立ち止まる前に、規則を読む

法律が定めるのは管理者の側の義務で、誰が入れるかを書くのは、寺院の使用規則、自治体の募集要項、霊園の契約約款のほうです。望むお墓があるなら、まず管理者に使用規則を確かめ、書面で説明を受けてから納骨の申込に進みましょう。

葬式をしない。それでも法律が求める手続きは4つある

遠くの実家のお墓を閉じる。石を動かす前に要るのは市区町村の許可

「私を火葬する人がいない」。決めなければ市区町村、決めるなら死後事務委任契約

情報提供元: マネーの達人
記事名:「 宗派の違うお墓に納骨できる? 法律が決めるのは「管理者の義務」、条件は墓地の規則