マンションの大規模修繕が決まらない。2026年4月から賛成は出席者で数える
総会に議案を出しても賛成が集まらず、修繕が先送りになっていませんか。反対が多いからとは限りません。必要な賛成を区分所有者の全員から数えていたため、関心がなく欠席した人の一票が反対と同じ働きをしていたからです。2026年4月1日、区分所有法が変わり、この数え方が入れ替わりました。
修繕を決めるのは管理組合の総会
大規模修繕をするかどうかは、住んでいる人が一人で決められるものではありません。区分所有法18条1項は、共用部分の管理に関する事項について「前条の場合を除いて、集会の決議で決する」と定めています。ここでいう集会が、管理組合の総会です。
賛否の数え方は39条1項にあります。「集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者(議決権を有しないものを除く。)及びその議決権の各過半数で決する」という条文で、いわゆる普通決議にあたります。共用部分の管理に当たる修繕の実施は、この普通決議で決める対象です。ただし、工事内容が共用部分の形状又は効用の著しい変更を伴う場合は、17条1項の特別決議の対象になります。
39条2項は、議決権を書面または代理人によっても行使できると定めています。この場合、書面または代理人によって議決権を行使した区分所有者の数は出席した区分所有者の数に、議決権の数は出席した区分所有者の議決権の数に、それぞれ算入されます。議決権行使書や委任状を出せば、出席した一人として数えられます。
改正で入れ替わった賛成の数え方
改正前の39条1項は「区分所有者及び議決権の各過半数で決する」でした。公式資料では、決議に参加しない無関心な区分所有者の存在が円滑な決議を阻害していたことが、改正の課題として示されています。
4分の3を求める決議には定足数が付きました。17条1項と31条1項は、区分所有者(議決権を有しないものを除く。)の過半数であって議決権の過半数を有する者の出席を条件にし、規約でこの定足数を引き上げる定めも置いています。17条1項は、4分の3の決議割合について、規約で2分の1を超える割合まで引き下げることができます。改正前も17条1項では区分所有者の定数を規約で過半数まで減らせましたが、議決権の4分の3要件は残っていました。さらに17条5項は、共用部分の設置・保存の瑕疵の除去やバリアフリー化に必要な共用部分の変更について、4分の3を3分の2に置き換えています。31条1項の4分の3要件は、規約で引き下げる対象ではありません。建替えのように区分所有権の処分を伴う決議は、この出席者の多数決の対象から外れています。
所在の分からない住戸があるとき
同じ日に新設された38条の2は、区分所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができないときに、他の区分所有者または管理者の請求により、裁判所が一般区分所有者による集会の決議をすることができる旨の裁判をすることができると定めています。この裁判で所在等不明区分所有者とされた人は、議決権を有しません。
国土交通省の資料は、裁判所の決定後に開く総会で、当該所在等不明区分所有者を除いて決議できる制度だと説明しています。対象は、必要な調査を尽くしても氏名等や所在が不明な区分所有者です。住民票など公簿上の住所等を調査しても所在が明らかでない場合が例です。
総会の案内が届いたときに見るところ
まず確かめたいのは、議案の要領と日付です。35条1項は、集会の招集の通知を会日より少なくとも1週間前に、会議の目的たる事項及び議案の要領を示して、各区分所有者(議決権を有しないものを除く。)に発しなければならないと定めています(規約で延ばせます)。施行日以降、改正法に抵触する規約の規定は効力を失い、改正法に則った手続が必要になります。国土交通省はマンション標準管理規約を改正し、各マンションでも規約の見直しを進めるよう求めています。
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