自衛官の定年は早い。だから退職手当とは別のお金が法律に用意されています
自衛官は、一般の公務員より前に定年が来る場合があります。そして法律には、退職手当とは別に、この早い定年で辞めた人に向けた給付が置かれています。名前も根拠の条文も、退職手当とは別のものです。何が出て、何で決まるのかを整理します。
「若年定年」という言葉が法律にある
自衛隊法は、自衛官以外の隊員について「前項の定年は、年齢六十五年とする」と定めています。一方、防衛省の職員の給与等に関する法律は、この六十五年に達しない定年のことを「若年定年」と呼び分けています。
つまり、自衛官の中には六十五年より前に定年が来る人がいることを、法律が前提にしているわけです。そして、その人たちに向けた給付が同じ法律に置かれています。定年の年齢そのものは、勤務の性質に応じて階級ごとに政令で定められているので、自分がいつ定年を迎えるのかは個別に確かめる必要があります。
出るのは「若年定年退職者給付金」。退職手当とは別のもの
防衛省の職員の給与等に関する法律は、その目的として、防衛省の職員の給与や災害補償と並べて「若年定年退職者給付金に関する事項」を挙げています。同時に、国家公務員退職手当法と国家公務員共済組合法の特例を定めることも目的にしています。
ここが押さえどころです。退職手当は国家公務員退職手当法の話で、若年定年退職者給付金はそれとは別に用意された給付です。どちらか一方を選ぶ関係ではなく、条件を満たせば別々に扱われます。退職の話をするときに「退職金」とひとまとめにしてしまうと、この二つ目の存在に気づかないまま手続きが進んでしまいます。
支給されるかどうかは、在職期間と辞めた事情で決まる
同法は、自衛隊法45条の2第1項で採用された自衛官を除き、自衛官としての在職期間が二十年以上である者、その他これに準ずる者として政令で定める者で、次のいずれかに当たる人を「若年定年退職者」として給付金を支給すると定めています。ひとつは若年定年に達したことにより退職した人、もうひとつは若年定年に達する日以前一年内に退職した人で一定の要件に当たる人、さらに若年定年に達した後に勤務延長され、その勤務延長期間の満了などで退職した人です。
見落としやすいのが、条文に置かれたただし書です。その人が退職の日またはその翌日に国家公務員または地方公務員になったときは支給しない、と書かれています。退職後の進路によって結論が変わる、ということです。ただし、臨時的に任用される人や任期を定めて任用される人、非常勤の人は、ここでいう公務員から除かれています。同じ再就職でも、どういう身分で就くかで扱いが分かれます。
自分がどれに当たるかは、所属部隊の人事に確かめる
条文は在職期間と辞めた事情で線を引いていますが、実際の在職期間の数え方や、政令で定める「これに準ずる者」に当たるかどうかは、個別に確かめる必要があります。
退職を考え始めた段階で、まず所属部隊の人事に、自分の定年がいつで、退職手当と給付金のそれぞれについてどう扱われるのかを聞いてみてください。制度の名前が二つあることを知っているだけでも、聞くべきことがはっきりします。