「98円の焼売をこんがり焼いてポン酢をまわしかけたら」6000いいねの弁当 本人に聞いた仕上げのコツ
弁当箱にぎっしり並んだ焼き色つきの焼売が、6000件を超えるいいねを集めました。使ったのは特別な食材ではなく、市販の焼売とポン酢だけ。投稿したのは、お弁当作りを長く続けているおぺこやん(@opeko9618)さんです。編集部が取材すると、返ってきたのは狙って考えた技ではなく、卵焼きのあとのフライパンから生まれた偶然でした。
「なにこれ。うまっ!」 きっかけは卵焼きのあとのフライパン
きっかけは、思いつきだったといいます。「普段家で焼売を食べる時は手軽にレンジで加熱して何もつけずに食べることが多いのですが、お弁当のおかずとなればちょっと味気ないかな?と思い、何となく卵焼きを作ったあとのフライパンで焼いて、冷蔵庫にあったポン酢で何となく味付けしてみたら、なにこれ。うまっ!ってなりました」。「本当にたまたまできた一品が安くて美味しい逸品に」なったそうです。「できたてはカリカリ食感がたまらない」と話します。
焼くときのポイントは、油の種類でした。「オススメはごま油で焼くこと。サラダ油よりも香ばしくこんがり仕上がります」。合わせる調味料は「おすすめは牡蠣だしポン酢。濃厚な牡蠣の旨味とまろやかな酸味が相性抜群」と教えてくれました。
この考え方は焼売だけの話ではないそうです。「いつも買ってる安い市販品でもちょっと味付けを変えるだけでワンランク上の仕上がりになり、毎回飽きる事なく食べることができます」。例として挙がったのはウインナーで、「仕上げにちょっと醤油を垂らして香ばしくしたり、ケチャップ+とんかつソースでご飯が進む味になるし、タバスコやブラックペッパーをかければ大人の味になります」。食費そのものを抑える工夫としては、「肉の量を減らしてちくわでかさ増しする事が多いです」と続けました。
同じ発想で使う食材として、マルシンハンバーグの名前も挙がりました。「いつものように焼いて照り焼きのタレを仕上げに入れてもいいし、パン粉をつけて揚げ焼きにしても美味しいんです」。よく作るのは「食べやすい大きさに切って焼き、レンチン加熱したピーマンと玉ねぎを入れて甘酢の味付けで仕上げれば、即席酢豚が完成します」というアレンジだそうです。
続けるための工夫は、料理そのものよりも決めごとの側にありました。働きながら毎朝自分の弁当を作っているため、「やっぱり時間もそんなにないしゆっくり作ってられない」。だからこそ「自分が作り続けられるルールを決めてしまうのがオススメです」といい、弁当の品数を基本的に3品と決めているそうです。「おかずをあれこれ入れようとすると、やっぱりその分材料費も増えるし、作る時間も増えてしまう」。「毎日作るものだからこそ、背伸びしないことが一番だと思ってます」と話しました。
食費はいま、家計のどのあたりにあるのか
総務省の家計調査によると、二人以上の世帯の1か月の消費支出は29万886円で、そのうち食料が9万485円でした(2026年6月分・2026年8月7日公表)。消費支出に占める食料の割合を示すエンゲル係数は29.8%で、前年同月の29.1%から上がっています。
食料の中身では、焼売のような市販のおかずが入る調理食品への支出が1万2775円。食料全体の1割強です。
値段の動きも見ます。消費者物価指数では、生鮮食品を除く食料の前年同月比が3.0%の上昇でした(2026年7月分・2026年8月21日公表)。総合の1.9%を上回ります。
安いものを探すより、いま買っているものを仕上げる
同じ消費者物価指数で、調理食品は前年同月比3.5%の上昇でした。買ってそのまま食べられるおかずは、いま値上がりが目立つ側にあります。
その中で投稿が示したのは、より安い商品を探す方向ではなく、すでに買っているものの仕上げ方を変える方向でした。焼くための油と、かける調味料が変わるだけで、買い物のリストは変わりません。
「98円」も「358円くらいの味」も、投稿者であるおぺこやんさんの言葉です。値段は店や時期で変わりますが、買い替えではなく仕上げで満足度を上げるという考え方は、そのまま家計に持ち込めます。
続けるためのおぺこやんさんの3つの決めごと
変えるのは商品ではなく仕上げ
安さを突き詰めると、より安い店や商品を探す時間が増えます。おぺこやんさんの工夫は、買うものはそのままで火の入れ方と調味料だけを変える形です。ウインナーに醤油を垂らす、ブラックペッパーをかける。どれも冷蔵庫にあるもので済みます。
減らすのではなく置き換える
「肉の量を減らしてちくわでかさ増し」は、量を我慢する話ではありません。おぺこやんさんは「ちくわって加熱すると旨みと香りがどんどん広がるので、お肉だけよりも感動の美味しさが生まれたりします」と話しており、置き換えたほうがおいしくなる場合がある、という捉え方です。
ルールを先に決めてしまう
品数を3品と決める理由は、時間と材料費の両方でした。上限を先に決めておけば、毎朝その中で組めばよくなります。
節約は、我慢の量ではなく続く形で決まる
食料の値上がりが続く中で、支出を抑える方法はいくつもあります。安い店を探す、まとめ買いする、量を減らす。どれも効きますが、続けるには手間や気持ちの負担がかかります。おぺこやんさんの工夫が広がったのは、買い物も手間もほとんど変えずに、食卓の満足度だけを動かしているからでしょう。「毎日作るものだからこそ、背伸びしないことが一番だと思ってます」という言葉は、節約の話に見えて、続けかたの話でもあります。値上がりに向き合うとき、最初に決めるのは我慢の量ではなく、自分が続けられる形なのかもしれません。