外出の付き添いは介護保険で頼めるのか。線引きは日常生活に必要かどうか
親の通院に付き添えない日が増えると、誰かに頼めないだろうかと考えます。介護保険には外出の付き添いを頼める仕組みがありますが、頼める範囲は決まっています。通院のように日常生活に必要な外出かどうかで、線が引かれています。
介護保険で頼めるのは日常生活に必要な外出
介護保険法は訪問介護を、要介護者の居宅で行われる、入浴や排せつ、食事などの介護その他の日常生活上の世話と定めています(第8条第2項)。外出の付き添いもその一部です。
通院や外出に付き添う場合は、身体介護として扱われる通院・外出介助と、訪問介護員が自ら運転する車で通院などに行く場合の「通院等のための乗車又は降車の介助」があります。厚生労働省の資料では、身体介護の例に外出介助が挙げられています。通院等乗降介助については、訪問介護員が自ら運転する車への乗り降りの介助に加えて、乗車前や降車後の屋内外の移動などの介助を行うか、通院先や外出先での受診などの手続きや移動の介助を行った場合に費用を算定すると定めています。車に乗せて運ぶだけでは対象になりません。
一方、訪問介護として外出支援をした後、引き続き利用者が趣味や娯楽のために立ち寄る場所に同行する部分は、介護保険の給付対象ではなく、保険外サービスとして別に契約する扱いです。
病院に着いてからの介助は原則として病院の職員
見落としやすいのが病院の中での付き添いです。厚生労働省は、院内介助は基本的には院内のスタッフが対応すべきものだとしたうえで、場合により算定対象になるとしています。判断するのは保険者である市区町村です。
同省は、院内介助だからという理由だけで算定を拒む扱いをしないよう求めています。あわせて示された各都道府県・保険者の対応事例では、ケアマネジメントを行ったうえで、病院の職員による対応が難しく、本人が介助を必要とする心身の状態であることを要件にする例が多いと整理されています。例に挙がるのは、院内の移動に介助が必要、認知症などのため見守りが必要、排せつの介助が必要といった場合です。
障害があるときは、同行援護と行動援護という道がある
障害者総合支援法にも外出に付き添うサービスがあります。同行援護は、視覚障害により移動に著しい困難がある人が対象です。外出時に同行し、移動に必要な情報を提供したうえで、移動の援護を行います。情報の提供には代筆や代読も含まれます。行動援護は、知的障害または精神障害により行動上著しい困難があり、常時介護を要する人が対象で、行動する際に生じ得る危険を避けるための援護と、外出時の移動中の介護を行います。どちらも住んでいる市区町村の支給決定を受けて使います。
これとは別に、障害のある人を対象に市区町村などが行う移動支援事業があります。国の実施要綱は、実施方法、対象者、サービスを提供する人を実施主体の判断によるものとしており、利用者負担も実施主体の判断によると定めています。中身は自治体ごとに違います。
外出の目的を伝えるところから始める
介護保険で頼めるのは、通院のように日常生活に必要な外出の付き添いです。趣味や娯楽のために立ち寄る場所への同行は保険外になり、病院の中の介助は原則として病院の職員が担います。まずは外出の目的と、どこでどんな介助が要るのかを担当のケアマネジャーに伝えましょう。障害がある場合は、市区町村の障害福祉の窓口で、移動支援事業を使えるか、対象になる外出の範囲と利用者負担を聞いてみてください。
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