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人は、何時亡くなるか、分かりません。
先日、病院で余命宣告を受けた知人から、「相続のことが心配なのです」と言われました。
確かに、残りの人生の期間を示されると、後回しにしていた「やるべきことを」考えざるを得ません。
知人は、たまたま治療費を引き出しに銀行に行き、預金の解約理由を話したところ「相続税対策の保険商品」をすすめられたとのことです。
はたして今、やるべきことは保険の加入なのでしょうか。検証してみたいと思います。
残された期間で、
「自身は、どう過ごしたいのか」という自身の問題
「残される家族のために何をしておいたらよいのか」という問題に整理します。
今回は、「残される家族のために何をしたらよいのか」についてのお話です。
自身が、すでに加入している保険の確認です。
筆者も、あちらこちらで頼まれるまま加入した保険があり、保険の内容もよく理解していないのがありました。
これは自身が現在の保険で利用できる有無の確認と、残される家族のために加入している保険の一覧表を作成しておきましょう。
一般的に、加入している保険については、加入会社より、保険の内容を記載したもの(秋頃が多い)が、確定申告に使用する控除証明書とともに送られてきます。
保険証券が、見つからなくても、そのお報せで、保険の内容・証券番号等は確認できます。
気を付けたいのは、郵便代の値上げもあり、保険会社が、郵送をやめ、加入者自身がネットにて確認する方式をおすすめしていることです。
年一回の加入内容のお知らせもなくなり、相続人も故人の保険の確認が困難になってしまうのです。
少なくとも加入している保険会社の一覧表は、紙ベースで家族に知らせておきましょう。
保険の加入については、前記の郵送される保険会社の通知書以外に、通帳の履歴にても確認することができます。
保険料は、自動引き落としになっていることが多く、通帳には、摘要欄に保険会社等が記載され、手掛かりとなります。
税務調査にても通帳の履歴は調査され、それにより、遺産漏れの指摘となるのです。
加入の保険会社が分かれば、その会社に相続人であれば契約内容を調査することはできます。
加入会社が不明ですと、保険会社の数も多く調査しようがなかったのですが、現在は、「生命保険契約照会制度」ができ、生命保険の契約(生命保険協会会員会社)の有無を確認することができます。
財形保険・財形年金保険・支払が開始した年金保険、保険金等が据え置きとなっている保険は対象外とのことですので、やはり書面にて家族に知らせておくのが一番ですね。
今のところ、マイナンバーカードにて故人のすべての預金口座を調査することはできません。
今やるべきことは紙での取引金融機関の一覧表の作成です。
残高の記載は不要です。
現在は、無通帳口座の可能性もあります。
通帳はあるのに解約済みであることもあり、それは、相続発生後、相続人が調査すればいいのです。
相続が発生した事実が確認できる戸籍謄本
相続人の一人であることが確認できる戸籍(原則、相続人の一人から請求できます)
相続人の印鑑証明と実印
※故人の戸籍の附票があると住所の履歴が記載されており、調査が正確になることも
故人の通帳はなくても調査可能ですが、あった方がいい。
所有しているクレジットカードや通帳で引き落とししている、サブスク、趣味の会費の一覧表と連絡先もまとめておきましょう。
これから、入院、医療費等いくらかかるか不明です。
預貯金等は、保険に切り替えず、自身のために使いましょう。
結果的に、心配すほど医療費がかからなく、預金が多く残ったら、もちろん保険を検討してもいいし、そのまま相続が発生したら、その預金は、残された家族の納税資金となり、相続人自身の負担軽減となるのです。
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