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相続した不動産が自宅や貸付アパート・マンションであれば、所有者として引き続き使用しますが、不動産は所有しているだけでも固定資産税が課されますので、空き家や未利用地に関しては売却するのも選択肢です。
ただ不動産を売却した際には譲渡所得税が課される可能性がありますので、今回は相続した不動産を売却する際の注意点について解説します。
譲渡所得税は、売却した譲渡資産の利益に対して課される税金です。
売却益に税率を乗じて税額を算出しますので、売却損が生じた際には譲渡所得税を支払うことにはなりません。
譲渡所得は、売却金額から購入金額と売るときにかかった費用(譲渡費用)を差し引いて、利益(譲渡所得)が発生するかを確認します。
売却益が算出されたときは、所得税の確定申告において申告・納税手続きをすることになります。
相続した不動産については、取得金額を先代から引き継ぐことになるため、先代が売却不動産をいつ・いくらで購入したのかを調べる必要があります。
先代がバブル期に購入した不動産を売却した場合、利益が算出されるケースは限られますが、先祖代々引き継いでいる土地については、購入金額がわからないものも少なくありません。
購入金額が不明な場合、売却金額の5%を概算取得費として計上できる措置を適用できる一方、譲渡費用がゼロだと売却金額の95%が利益とみなされてしまいます。
建物に関しては、購入してからの期間に応じて取得金額から減価償却費相当額を差し引かなければなりません。
売却資産に建物が含まれている場合、売却金額と購入金額が同額であったとしても、減価償却費相当額分だけ計算上の利益が生じる点には注意が必要です。
不動産の譲渡所得税は、所有期間に応じて適用される税率は異なります。
売却した年の1月1日時点の所有期間が5年以下の場合は「短期譲渡所得」として、39.63%(所得税+住民税+復興特別所得税)の譲渡所得税が課されます。
売却した年の1月1日時点の所有期間が5年超の場合には「長期譲渡所得」として、20.315%(所得税+住民税+復興特別所得税)の譲渡所得税が課されます。
短期譲渡所得に該当すると、長期譲渡所得のおよそ2倍の税金が課されることになるため、節税を考える場合には所有期間も重要です。
所有期間は、売却した人が取得してから売却するまでの期間で判断しますが、売却した不動産を相続で取得したときは、先代が所有していた期間もカウントします。
相続後すぐに不動産を手放した場合、実際の所有期間は短いです。
しかし、譲渡所得の計算上は、先代が取得してから不動産を相続した人が売却するまでの期間で短期・長期を判断するため、合計の所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得として計算することができます。
譲渡所得税の申告は、不動産を売却した本人の名義で自主的に申告・納税をしなければなりません。
確定申告期間は売却した年の翌年2月16日から3月15日までの1か月で、令和6年分の所得税の確定申告期間に関しては、令和7年2月17日から令和7年3月17日です。
専業主婦(主夫)など、扶養に入っている人が不動産を売却した場合、その年だけは所得が発生しますので、売却益の金額次第では扶養から外れる可能性があります。
申告するのを忘れてしまうと後日税務署から指摘され、本税に加えて加算税・延滞税を支払うことになるため、売却益が算出される際は忘れずに申告手続きを行ってください。
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