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年を取ってくると、医療や介護とのかかわりが必要になってきます。
どなたでも医療や介護を受ける前に自分はこうしたいと希望し、それをもとに家族や医療や介護の関係者とどのように治療やケアを行っていくかという話し合いを持ちます。
自分の意思表示ができれば、希望する治療やケアの内容を伝えることができますが、自分の意思表示ができなかった場合、家族等の近しい人が本人の希望を代わりに考えることになります。
あってはならないことですが、命に関わるいざという時は誰にでも起こりうる事態です。
本人の希望などが分かっていないと、治療やケアはどういったことを希望していたのだろう、どうするのが良いのだろうかと、代理で方針を決定する家族は、悩むことになってしまいます。
また、入院や施設入所やサービス利用などは、お金が関係してくることでもあります。
今回は、いざという時の為に事前に家族等に、医療やケアの希望などを伝え、話し合い、共有しておく「アドバンス・ケア・プランニング」にスポットをあてていきます。
人生会議とも言われるアドバンス・ケア・プランニング(以下:ACP)とは、自分の意思表示ができなくなった場合に備えて、医療やケアの希望、自分が大切にしていることなどを本人と家族、本人の医療やケアに関わる人たちが、共有していく取組のことです。
本人や周りの状況で希望や意思は変わりますので、何度でも話し合い、共有していくことが重要です。
いざという時の為に、命に関わるような時にどうして欲しいかの話し合いの場を設けて、ACPをしておかなければと意気込む必要はありません。
まずは、親戚が集まるお盆や正月などに意思表示をして、お互いの考えを話し合ったり、病院受診を家族と行った時に、主治医と家族に自分の気持ちを話しておくなどから、始めると良いでしょう。
行われたACPで決まった内容は最終決定事項であり、変更は可能です。
医療や介護保険の改正でかかるお金や制度が変わると、変更せざるをおえなくなります。
また、本人や周りの状況が変わることで、選べる方法や手段も変わります。
その時々で、ベストと思う内容を本人と周りが共有していくことが大切です。
≪画像元:厚生労働省(pdf)≫
ACPを行うメリットの1つは、本人が希望する医療や介護にかかるお金をどうしていくかを本人と周りが確認できる点です。
ACPの中で、本人の希望する医療やケアであっても、必要なお金を捻出できなくなった場合に、どこまで希望に沿っていくのか、代替え案で実現できそうなことはどのようなことなのかを本人と周りの人たちで話し合い、金銭面からみた落としどころを決めておくことも重要です。
医療や介護などを受ける際には、どうしても費用の問題が切っても切り離せません。
どなたでも、こういった医療やケアを受けたいという希望はありますが、金銭面で無理がある場合には実現できません。
ACPは本人の希望や意思を確認し話し合いを行い、共有していく取組ですので、実現不可能なことではなく、どういったことで本人の希望や意思をかなえることができるのかまで、話し合います。
ACPを行う対象者は、介護や医療が今、必要な方だけではありません。
どなたでも、いつ命に関わる出来事が起きる可能性があります。
両親が要介護状態の場合には、介護を行っている方に何かあった時には、その方のその後のことだけではなく、両親の今後についても、考えなくてはなりません。
介護のサポートをしている方に何かあると、金銭的な面でも大きな変化が生じます。
そのような際には、早急に、両親の医療やケアについて決めなくてはならず、本人たちの意思によりそった決定ができずに、お互いに不満が残る結果になる可能性があります。
急に意思表示ができなくなる状態になる可能性は、誰にでもあります。
介護や医療が必要な方のACPを行う際には、サポートをしている方のACPや何かあった場合にどうするかを話し合っておくと、周りの環境が変わった場合でも、お互いに後悔のない、今後への選択ができます。
医療やケアには、お金が必要になります。
お互いに後悔のない選択をする為には、金銭面も考慮していく必要があります。
年金や貯金額など具体的な金額を言いたくない方も多いので、その場合は1か月に使える金額を共有する方法もあります。
1回のACPで何もかもを決定する必要はありません。状況や心身の変化で、希望や意思は変わっていきます。
難しく考えず、まずは家族で意思表示ができないレベルの命に関わるようなことが起こった場合に、医療やケアはどうしたいかの意見を確認することから始めてみましょう。
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