景気下振れへの警戒感【今週の日経平均を考える】

先週は、2日にレーバーデーで米市場が休場だったため、サマーバケーションから戻られた海外の投資家がどのように動いてくるのか、とても注目されていました。

バケーションから戻ってきた投資家たちは、一斉にハイテク株を中心に売りに動き、さらに円高方向へと進行しました。

9月4日には大きく下落し、日経平均株価は3万7000円を割り、更に下げ幅を広げました。

・ 2日新甫は荒れるというアノマリー

・ ジブリの法則(8月30日の金曜ロードショーは天空の城ラピュタ)

など、荒れるといわれるアノマリーのほかにも、

・ 9月相場は下落しやすく、昔からハロウィンの頃に株を買えという言葉

・ 彼岸底は秋のお彼岸にも当てはまるのではないかということを言われている

など、9月10月相場は、昔からやりにくい月とされていました。

特に今年は、日本では自民党総選挙が注目され、その政策によっては物色される銘柄が出てくる一方金融所得課税など、投資家心理を刺激する内容もあり、どのように影響してくるのでしょうか。

米国でも大統領選挙を控え、利下げのことや、景気後退懸念など、投資家が一喜一憂するイベントが多くあり、その都度上下に動くのが9月10月の秋相場といえます。

十分に注意して向き合っていきましょう。

景気下振れへの警戒感

チャート分析

チャートを細かく見ていきましょう。

日足の移動平均線

5日線は、上向きで推移していましたが4日に下向きへと変化し、株価も5日線の下へと潜ってしましました。

25日線は、横ばっていましたが、下向きとなり株価も25日線に支えられずに弱さが見えています。

75日線は、横ばいで推移していましたが、若干下向きへと変化しています。

並び順は、75日25日5日で、安定下降となっています。

機関投資家や海外の投資家が意識している200日線は、上向きで推移し、3万7483円処を推移しています。

9月5日に株価が200日線を割ってきました。

トレンドライン

8月16日から、右肩上がりの狭いレンジで動いていましたが、このレンジを割って大きく下落し、下で意識されていた8月15日16日の窓埋めが完成されました。

8月5日の底から0.382押しで3万6000円処、更に下は0.5押しで3万5100円処、0.618押しは3万4100円処となります。

上は、直近に開けた9月3日4日の窓埋めが意識されるところです。

一目均衡表

8月30日に雲のねじれがあり、そこからは下への転換をしたという認識となりました。

基準線は下向き、転換線は上向きで大きく乖離していましたが、転換線が下向きとなり、乖離を縮めています

遅行線は、強気の上昇へと向かう勢いでしたが、一気に下向きとなり、日々線の下に潜ってしまいました。

ここからどう抜けていくのか注目です。

ボリンジャーバンド

+1σからTPラインまで株価は下がってきました。

バンドはいびつな形をしており、BOX相場を作るのか、それとも-2σまで落ちるのか、気になるところです。

スローストキャスト

買われすぎゾーンから、売られすぎゾーンへと一気に向かい、中段の休み場もなく更に下へ向かっています。

売られすぎゾーンから早々に脱出して強い展開を迎えるのか注目していきましょう。

MACD

ヒストグラムが陰転しており、さらにMACDとシグナルが交差し弱さが見えています。

ここから0ラインを割って下降トレンドとするのかに注意して見ていきましょう。

次回9月18日が満月(中秋の名月)、10月3日が新月です。

前回の新月が9月3日(転換のサイン)でしたので、やはり月のアノマリーも意識したいところですね。

総合判断

パラボリックは陰転し弱さが見えています。

ADXはしばらくトレンドがない状況でしたが、9月4日からトレンドが出ています。

このままADXが上向きに続けば、下降トレンド入りといえます。

米雇用統計は、6月7月下方修正、そして8月は雇用者数が予想をやや下回り、それによって景気の下振れへの警戒から米国株式市場は大きく荒れる展開となりました。

日経平均先物も大幅下落となり、月曜日の寄付は窓を開けて3万5000円前後でのスタートになりそうです。

下げの前兆として8月30日の海外投資家動向も、23日に引き続き売り越しとなっていました。

8月末はまだ上昇中だった日経平均株価でしたが、そんな上昇中に海外投資家が売り越していたという事実をきちんと知って、マーケットに向き合っていきましょう。

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 景気下振れへの警戒感【今週の日経平均を考える】