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防災対策のためにみるべき資料として、「防災マップ」と「ハザードマップ」がありますが、この2つがどう違うのか、どちらを参照すれば良いのかわからない方も多いと思います。
毎年9月1日は「防災の日」です。
なぜ9月1日が「防災の日」になったのかというと、1923年に起きた死者・行方不明者10万5,000人の大災害「関東大震災」が9月1日に起きたからです。
2024年8月8日に起きた日向灘を震源とするM7.1地震をきっかけに、来る南海トラフ巨大地震や首都直下型地震への危機意識が高まっている方も多いことでしょう。
この記事では、9月1日の「防災の日」に確認しておきたい、ハザードマップと防災マップの違いと活用方法についてお伝えします。
防災意識は日ごろから高めておきたいものですが、いつでもできるがゆえに、意識して防災対策に取り組むことは意外と少ないものです。
記事を参考に、定期的な防災行動につなげてください。
防災マップとは、災害時の行動計画の指標となる地図(避難所の場所や避難経路など)
のことです。
防災マップは自治体のHPで確認できます。また役所などで紙のパンフレットやポスターなどを配布している場合があります。
「防災マップ」では以下のような情報を確認することができます。
近隣の避難所や地域の防災拠点
福祉避難所
仮設救護所
災害時給水所
帰宅困難者一時滞在施設
土砂災害警戒区域
洪水浸水想定区域 など
横浜市の実際の防災マップをみると、上記地域は洪水による浸水リスクが高い土地であり、具体的な避難所の場所と浸水リスクの高い地域がわかりやすく表示されています。
防災マップを見たら、まずは自宅の位置を確認してください。そして避難所までの安全なルートを探します。
防災マップ上の自宅の位置を確認する
近隣の避難所を探し、実際に災害が起きた場合に行く避難所を決める
その避難所までの安全な移動ルートを決める
実際に歩いてみる
「安全な移動ルート」というのがポイントです。
例えば近所の学校が避難所だったとして、自宅からその学校までに橋や急斜面を通ることはないでしょうか。
地震災害による避難であれば、揺れによる橋の倒壊や急な土砂崩れのリスクが想定されます。
普段は安全な道も、災害時には危険なルートとなる可能性があるため、防災マップと照らし合わせて安全な避難ルートを考えておきましょう。
そして実際に歩いてみることをおすすめします。
歩いてみると、マップにも記載しきれないような情報(倒壊の恐れのある古い空き家やブロック塀がそばにないか?など)がみつかるかもしれません。
ハザードマップとは、地盤や地形の特徴、過去の災害履歴から、次に起こりうる災害のリスクについて示す地図
のことです。
実は、防災マップはハザードマップをベースにしています。ハザードマップが示した災害リスクに避難場所や避難経路などの情報を追加することで、住民らが災害時に安全な行動を取れるよう作られています。
地盤や地形によってリスクの高い災害の内容は異なるため、防災マップにはその点が反映されていると言えます。
まずは地域の防災マップを確認のうえ、さらに広く地域の災害リスクを知りたい場合には、種類別のハザードマップも個別に確認しておくと良いでしょう。
ハザードマップには以下の7種類があります。ご自身の自宅近辺に関わりの深い災害はどれか、イメージしながら確認してみましょう。
その地域の洪水リスクを示した地図(想定浸水区域、浸水の深さ、流速、避難情報など)
地震の揺れの強さや、揺れにより誘発される建物の倒壊や液状化のリスクを示した地図(震度、避難情報、地下街の有無、避難情報)
当該地域の地震履歴から、想定される震源ごと※に作成される。
※例:南海トラフ巨大地震、元禄型関東地震、東京湾北部地震など
地震によって起こる津波や浸水のリスクを示した地図(津波の高さ、到達時間、浸水深度、避難情報)
将来的に噴火する火山のリスクについて示した地図(活火山の場所、規模、火山灰の降り注ぐ範囲、避難情報)
地形や地質情報、降雨量などをもとに土砂災害のリスクを示した地図(災害の発生確率、危険度、土砂の移動範囲、避難情報)
都道府県による土砂災害特別警戒区域の指定を受けて、区市町村が作成する。
高潮の浸水状況予測と避難情報を示した地図(浸水範囲、到達高さ、避難情報)
大雨の際に下水道管や水路からの浸水被害の予想地図(浸水の想定区域、深さ、避難情報)
自分の地域にどんな災害リスクがあるのかを知るには、国土交交通省が公開している「重ねるハザードマップ」が役立ちます。
住所などを入力すると、災害の種別とリスクの内容、危険度の高い地域の範囲などを地図上に示してくれます。
そこから地域の防災マップへリンクを飛ばしているので、より詳しく知りたい場合は遷移して読んでおくと良いでしょう。
防災マップもハザードマップも、国や自治体が無料で公開している情報ですが、住民の命を守るために信頼度の高い詳細な情報網となっています。
また自然災害は郊外で起きるイメージが強いかもしれませんが、ハザードマップに「内水ハザードマップ」があることから、複雑に入り組んだ水道配管や地下通路を持つ都市においても、災害は避けては通れないものとなっています。
防災に絶対はありませんが、定期的に自分の居住地や職場・学校周辺の災害リスクの内容と避難情報を把握しておくことが、もしものときに命を守ることへとつながります。
毎年9月1日の防災の日を、ぜひ防災マップやハザードマップを確認する日として、習慣にしてみてはいかがでしょうか。
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